皆さん、こんにちは。
ふらふら彷徨う「さまよい人」です。
「さまよいブログ」へようこそ。
前回、橘玲著『幸福の資本論』を元にして記事を書きました。
橘玲氏の著作に興味を持ったので、
他の本も読んでみようと思いまして、検索し、
このたび、『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という本を、
タイトルが面白そうだったので、取り寄せて読んでみました。
『幸福の資本論』よりかなり前に書かれた本で、
同一著者の作品だから 当然と言えば当然ですが、
『幸福の資本論』の原型というか、
内容的に被るようなところが 多々ありました。
しかし、前回記事同様に、
天理教に深いご縁を頂いた立場から
いろいろ考えさせられることが多くありましたので、
今回、再び、橘玲氏の著作を元にして、
ひとつ記事をまとめることとしました。
前回同様、
天理教に強い信頼と信念をお持ちの方ではなくて、
中途半端な人(さまよう人々)向けです。
迷い多きお道の皆さま。
今回も、ぜひ最後まで読んでいってください。
橘玲『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』の主題
今回紹介するのは、以下の本です。
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』
- 著者 橘 玲
- 出版社 幻冬舎
- 発行日 2010年9月30日
- 本の長さ 263ページ
橘玲氏は『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という著作を通して、
興味深く勉強になることを数多く書かれていますが、
この本を通して最も主張したいことがらは、
「はじめに」の中に、ほぼ出尽くしていると言えます。
以後の本文は、それを細かく説明しているような感じです。
橘玲氏が訴えたかった、
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という著作の主題を、
以下、簡単に紹介いたします。
近年の 行動遺伝学や 進化心理学などの 研究によって、
人間は、残念ながら、現代人が 思っている以上に、
遺伝的要因に 支配されている部分が 大きいことが、
科学的に 明らかになってきている。
なので、
巷に あふれる自己啓発書は「やればできる」と人々を鼓舞するけれども、
適正に欠けた部分の能力は、
残念ながら、
学習や訓練では 向上しない場合が ほとんどと言っても 過言ではない。
「やればできる」ことは あるかもしれないが、
「やってもできない」ことの方が ずっと多い。
しかし、
やってもできないことが 多いからといって、
絶望することはない。
ありのままの「わたし」でも 成功を手にする方法(哲学)は あるのだから。
このように 残酷な世界を 生き延びるための 成功哲学は、
たった2行に 要約できる。
それは、以下の通りである。
- 伽藍を捨ててバザールに向かえ。
- 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』主題の説明
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という著作の主題は、
- 伽藍を捨ててバザールに向かえ。
- 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。
でした。
橘玲氏の著作に関してネット検索すると、
その他の著作でも、
何度もこの主張を強調しておられることが分かりました。
この著作が2010年出版ですから、
本当に10年以上も前からずっと主張しておられる内容なのですね。
橘玲氏の著作のどれかを読んだことがある方なら、
あぁ、あの本にも書いてあった、
と頷かれると思います。
橘玲氏のどの著作もまだ読んだことがない方でも、
この言い回しだけで、言わんとすることはほぼ分かるでありましょう。
が、確認の意味も込めて、その中身を、改めてまとめておきます。
「伽藍を捨ててバザールに向かえ」とは
まずは、用語の確認から。
「伽藍(がらん)」について。
【伽藍】
伽藍(がらん)は、
僧侶が 集まり修行する 清浄な場所の意味であり、
後には 寺院または寺院を 意味するようになった。サンスクリット語の सँघाराम、saṁghārāma の音写で、
「僧伽藍摩(そうぎゃらんま)」「僧伽藍」が略されて「伽藍」と言われた。漢訳の場合は「衆園(しゅおん)」「僧園(そうおん)」などと 訳された例があるが、通常「伽藍」とのみ呼ばれる。
【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
簡単にまとめてみましょう。
【伽藍の特徴】
- 閉鎖的・参入が制限されている 。
- 競争相手は少ない。
- 悪評がいつまでも残る。
- 出ていきにくい
【伽藍に適応した行動】
- 悪い評判が出ないようにする。
- 目立つことはせず、失敗を起こさない。
- ネガティブゲーム
続いて、「バザール」について。
【バザール】
バザール (英語: bazaar、フランス語: bazar、ペルシア語とウルドゥー語:بازار、ヒンディー語: बाज़ार、トルコ語: pazar) とは、
中東諸国・中央アジア・インドなどの 市場のこと。
イスラーム世界の市場「スーク」のこと。
日本語では「バーザール」という 表記をすることもある。
bāzār バザール」は、市場を意味する ペルシア語である。語源としては、
中世ペルシア語の1つ パフラヴィー語の baha-char から来ており、
「(物の)値段の決まる場所」が原意で、
バザールでは “定価”はない、というのが 一般的である。
(つまり、商品ごとや取引ごとに 売り手と買い手が 価格交渉して、買い手ごとに 異なった値段が 決まる。一物多価。)バザールは、都市においては 一般的に、
【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
住宅地から独立して バザールだけで 独立した区画を形成しており、
商店が 密集している。
(近・現代では)屋根を持つ 歩廊式の建物内(≒屋根がついた “通り” )
の両側に 商店や工房が並ぶ方式が 一般的である。
簡単にまとめてみましょう。
【バザールの特徴】
- 開放的な空間
- 参入障壁が低い
- 競争相手が多い
- 悪評が立てば出ればいい
- 出ていきやすい
【バザール】……誰でも自由に 商品を売り買いできる 開放的な空間。
バザールの特徴は、参入も退出も 自由なこと。
商売に失敗して、
「なんだ、あいつ 口ばっかで ぜんぜんダメじゃないか」 といわれたら、
さっさと 店を畳んで 別の場所で 出直せばいい。
その代わり、
バザールでは 誰でも 商売を始められるわけだから (参入障壁がない) 、
ライバルは ものすごく多い。
ふつうに 商品を売っているだけでは、どんどん じり貧になるばかり。
【バザールに適応した行動】
- よい評判を集める
- 新しいことに挑戦する
- ポジティブゲーム
以上の 用語説明を 見て頂ければ、
橘玲氏の 言いたいことは ほぼ お分かり頂ける と思います。
すなわち、「伽藍を捨ててバザールに向かえ」とは、(ごくごく簡単に言うと)
閉鎖的な環境を 飛び出して、開放的な環境へ 行け!
ということですね。
「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」とは
では、「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」とは?
恐竜の尻尾 のことを ロングテール とも 言います。
ロングテール(英: long tail)とは、
インターネット を用いた 物品販売の手法、または 概念の1つであり、
販売機会の少ない商品でも アイテム数を 幅広く取り揃えること、
または 対象となる 顧客の総数を 増やすことで、
総体としての 売上げを 大きくするものである。【名前の由来】
仮に、
べき乗則 に従う 商品の 売り上げを、
販売数を 縦軸に、商品を 横軸にして、
販売成績の 良いものを 左側から順に並べると、
あまり 売れない商品が
右側に なだらかに 長く伸びるグラフが 描かれる。左側だけ 急峻に 高くなっているのは、
販売数が 大きな商品が 全体では わずかな品目であることを示し、
右側が 低くなだらかなのは
販売数量が 低い商品が
全体の品目数では ほとんどを 占めることを表している。ただし、非常に 多くの種類を 取り扱う必要がある。
このグラフの、
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
恐竜の尻尾(テール)のような形状から
「ロングテール」と呼ばれる。
恐竜の尻尾=ロングテールの対義語は、
恐竜の頭=ショートヘッド。
ビジネスにおけるショートヘッドとは、
数少ない売れ筋商品群のことで、
ロングテールとは、
売れていないが 数の多い 商品群 のことだそうです。
すなわち、
恐竜の尻尾 のなかに 頭を探せ、
とは、
数の少ないところで 売れ筋になれ、
頭=トップを目指せ、
ということです。
すなわち、橘玲氏は、
ニッチ(すきま)な分野でトップになれ、
貴重な存在になれ、
と主張しているわけですね。
伽藍を捨てて バザールへと向かえば、
橘玲『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』P,261
そこには きっと、
君にふさわしい ニッチ があるにちがいない。
と橘玲氏は書いています。
橘玲の書籍から考えた天理教人の生き残り方
この本の中に 書かれていた 橘玲氏の主張を、
まとめると 次のように 言えるかと思います。
閉鎖された世界から 開放された世界へ行こう。
そして、
たとえ 少数分野であっても、
本当に 自分を輝かせることのできる場所へ行って、
そこで 稀有な存在となることを目指そう。
私は、令和元年に 小さな天理教の分教会長を 任された者なのですが、この本を読んで、
“これは、
天理教文化圏で生きる人たちに向けても
言える言葉ではないのかな”
と思いました。
閉ざされた 天理教文化圏の中だけの世界 にとどまるのではなくて、
天理教文化圏の 外の世界 とも積極的に交流し、
そして、
大勢の大衆が 群がる分野ではなく、
人が少ない分野であっても(むしろそういうニッチな分野で)、
自分が 夢中になれる場所を 見つけて、
そこで 自分を輝かせるべきだ。
それが、
この 残酷な世界で、
与えられた徳分を 最大限活かして 自分らしく 生きていける、
たったひとつの方法 に違いない。
橘玲氏の本を読んで、そう感じました。
このように書きながら、
共感していただける方には すごく共感していただけるだろうけれど、
共感できない方も かなりたくさんいる考え方だろうなぁ、
と思いました。
閉鎖された世界から開放された世界へ、
という表現を「形式的な面」 だけで受け止めると、
天理教を捨てて外へ飛び出せ、
と主張しているみたいに 受け止められる恐れが あるからです。
しかし 私は、
橘玲氏の主張を、そういう「外形的な面」だけで受け止めるのは違う と考えます。
「伽藍を捨ててバザールに向かえ」という言葉も、
「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」という言葉も、
【内面的な部分】で
“内向きばかりの世界から外向きの世界へ”移行することを提唱している、
と受け止めることができると思うからです。
まとめ
人間は、
残念ながら、現代人が 思っている以上に、
遺伝的要因に 支配されている部分が大きい。
巷にあふれる 自己啓発書は「やればできる」と人々を鼓舞するが、
残念ながら、
適正に欠けた能力は、学習や訓練では 向上しない場合が多い。
「やればできる」ことは あるかもしれないが、
「やってもできない」ことの方が ずっと多い。
しかし、やってもできないことが多いからといって、絶望することはない。
この残酷な世界を 生き延びるための成功哲学は、次の通りだ。
伽藍を捨てて バザール に向かえ。
恐竜の尻尾 のなかに 頭を探せ。
閉鎖された世界から 開放された世界へ 行こう。
そして、たとえ 少数分野であっても、
本当に 自分を輝かせることのできる 場所へ行って、
そこの 稀有な存在を 目指そう。
今回は、
橘玲著『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という本を紹介して、
少しばかり思うことも書かせていただきました。
伽藍を捨ててバザールへ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探そう。
という橘玲氏の主張。
皆さまはどう受け止められましたか?
ではでは、今回はこのへんで。
コメント
始めまして(*^-^*)
とてもいいお話でした。ありがとうございます。(v^-゚)
お話を聞いているうちに、私の人生はそうだったかも知れないと思いました。
勘違いしてるかもですが、
私が多くの宗教や仕事を転々としていることからもバレていますが、
一応、挑戦してみて、ムリと思うと逃避して生き延びてきました。
今後ともよろしくお願いします。
コメントありがとうございます
当ブログは、長い間、PV数ほぼゼロで推移しておりましたので、
「独り言」のような感じで続けておりました。
読んで下さる方がおられただけで感激です!
大変な時代ですが、
マイペースでお互い頑張りましょう!!
(さまよい人)