皆さん、こんにちは。ふらふら彷徨う「さまよい人」です。
「さまよいブログ」へようこそ。
前回、岡田斗司夫の「ホワイト革命」について書きました。
前回の記事をまとめるために、岡田斗司夫の動画や本をあれこれ見て回ったわけですが、
その中で、いろいろと面白い論説に触れることができました。
特に、岡田斗司夫氏は未来予測が得意(?)みたいで、
多くの場所で、未来はこうなるだろう、みたいな話をたくさんしているのが印象的でした。
学ぶ中で、他の人も知っておくと参考になるんじゃないか、と感じる内容のものも多くありました。
そこで今回は、
私が、岡田斗司夫という評論家の言説に触れる中で知った、岡田斗司夫氏の未来予測の一部を紹介したいと思います。
岡田斗司夫氏がニコ生の『岡田斗司夫ゼミ』の中で語った多くの未来予測を、ザっと集めて1冊に編集した、『ユーチューバーが消滅する未来』(PHP新書)という本があります。
今回の記事では、その本に書かれてある岡田斗司夫氏の未来予測というものを、簡単に紹介します。
現在は、改めて言うまでもなく、大変革時代の真っ只中です。
先が見えません。
こういう先行き不透明な時代だからこそ、未来を見通す能力が高そうな人の意見に耳を傾けることは、大切なことではないでしょうか。
もちろん鵜呑みにする必要はありません。
大いに批判的に受け止めたら良いと思います。
しかし、未来予測の精度を高めるためには、まずは、一人でも多くの人の見解を知っておくことが必要です。
真偽を判定する以前に、まずは、知らなければ話になりません。
まず知って、他の言説にも触れて、比べて、そして、自分なりの未来予測ができるようになりたいものであります。
まず「知る」ために、今回も、ぜひ最後まで読んでいってください。
「未来格差」とは
『ユーチューバーが消滅する未来』(PHP新書)という本の帯に、次のような言葉があります。
《~「未来格差」に備えよ~》
「未来格差」とは何でしょうか。
本書内には、次のように書かれています。
これから起こるのは、「頭の悪いAI」と「頭のいい人間」の競争です。
頭の悪いAIは、技術の進歩によってどんどん賢くなっていく。
最先端のAIにしかできないようなことも、2年、3年すれば無料版のアプリでできるようになるんです。その一方、人間はそうそう進歩しません。
というか、どんどんレベルが下がっていきます。
昔ならほとんどの人は毎日単純労働をしていましたが、今だと単純労働に耐えられる人は全体の2割くらいしかいないんじゃないでしょうか。たいていの人は、より賢くなったわけではなくて、たんに単純労働に耐えられなくなっただけ。
AIが進歩すればするほど、僕らはどんどん無能になっていく。
愚かな人間から順番に、賢い機械に仕事を奪われていく。トップレベルの優秀な人間は、将来的にもAIより有能で居続けるかもしれませんが、彼らだって毎年2倍や3倍賢くなっていくわけではありません。(中略)
言うまでもないことですが、格差はますます拡大していくことになります。
その格差とは、所得や教育というより、未来に対する感度によって生じる「未来格差」です。
未来がどうなるのかを常に意識し、自分の行動に反映できるかどうか。
今安定しているからといって、何となく大企業に入って将来性のない仕事に就き、そこで20年、30年とキャリアを重ねてもしょうがない。
そんな勝ちの薄い目に一点掛けするより、いくつもの多様な仕事に関わって、収入源を複数持っていた方が、よほどリスク分散になります。
これまで僕たちは、水の豊かなオアシスで気楽に暮らしていました。
水が欲しければ、その辺から好きなだけ汲み上げて喉を潤すことができました。でも、これからはそうはいきません。
水はすごい勢いで干上がっているんです。「どの水たまりが最後まで残りますか?」なんて、のんきなことを聞いている場合じゃない。
そんなこと誰にもわかるわけがないんですから。足をできるだけたくさん生やし、1箇所だけじゃなく、何箇所もの水たまりに同時に足を浸けるようにしないといけません。
そうしないと、1つの水たまりが消えただけで死んでしまいます。
生き延びるため、僕たちは未来がどんな方向に向かっているのかを知らなければなりません。
岡田斗司夫『ユーチューバーが消滅する未来』(PHP新書)P,18~19
「『未来格差』に備えよう」と岡田斗司夫氏は言います。
未来がどうなるのかを常に意識し、自分の行動に反映させる力、すなわち、未来に対する感度とそれに基づく行動力。
それが、この先はより重要になっていく。
そして、それによって生じる格差。
それが、「未来格差」ということなのですね。
「未来格差」の下層に沈んでしまわないためにも、
未来に対する感度を高める努力を怠るわけにはいきません。
社会の価値観変化の方向性
岡田斗司夫氏は、『ユーチューバーが消滅する未来』の中で、未来を予測するためには「社会の価値観の変化」に着目する必要がある、と述べています。
では、今、どのような社会変化が進行しているのか?
岡田斗司夫氏によると、以下3点の「価値観変化」が進行しているのだそう。
- 「第一印象至上主義」
- 「考えるより探す」
- 「中間はいらない」
(岡田斗司夫『ユーチューバーが消滅する未来』(PHP新書)P,27)
この3点を押さえておくと、現在の出来事を理解し、未来を予測しやすくなるのだとか。
「第一印象至上主義」
これは、
“最初に感じた第一印象やその時に起こった感情を絶対視してしまう”
ということです。
例として、
誰かのツイートを見てカッとしたら、そのカッとした感情を肯定する情報を集めるようになること、
というのを挙げています。
確かに、ネットで検索していると、似たような情報ばかりが集まってきて、
知らぬ間に自分にとって都合のいい情報に取り囲まれがち。
そうなると、確かに、反対意見を聞く耳がなくなってしまう危険が大いにありますよね。
ネット環境の普及と整備が進めば進むほど、第一印象というものが強化されて柔軟性が乏しくなってしまう、
という指摘には、大いに頷けるものがあります。
「考えるより探す」
これは、
“自分で回答を考えるのではなく、大勢の意見から、自分に合った意見を選ぶようになった”
ということです。
確かに…と思います。
今は、ネット上に山のように、情報、意見、感想があふれています。
それが当たり前になるにつれて、知らず知らずの内に、何か問題にぶつかった時、
まず自分の頭で考えるより先に、他の人の情報、意見、感想などを探してしまう、
ということが、往々にしてあるような気がします。
ネット環境の普及と整備は、そうした人々の行動を加速するだろうという指摘は、確かに間違いない、と感じます。
「中間はいらない」
これは、
“超メジャーな人は生き残るが、それまでそこそこ食えていた中間のプロはいなくなっていく”
ということです。
ネット環境の発展によって、メールやブログ、ツイッターといった双方向発信の電子ネットが、
マスメディアに代わって大きな位置を占めるようになってきました。
それによって、今までマスメディアからの影響を一方的に受け入れるだけの存在だった一般人が、
初めて自分から不特定多数の人に向けて自分の意見を述べるツールを手に入れたわけです。
今や、ビジネスではなく、単純な趣味やボランティアによる一般人の情報発信が、
あらゆるジャンルで繰り広げられるようになりました。
その結果、今までだったらお金を取っていたコンテンツやサービスが、数多く無償で提供されるような状況が生まれてきています。
そうなると、超メジャーな人の需要は今後も残るでしょうが、
中途半端な人はもう求められない、もうそれでは食べていけない、
という状況がますます強まっていくというのは、ごく当然の帰結と言えるでありましょう。
超メジャーな人は生き残るが、それまでそこそこ食えていた中間のプロはいなくなっていく。
そうなれば、当然、中間はいらない、というふうに価値観が流れていきます。
「中間はいらない」というのは、そういう意味です。
以上のような「価値観変化」のトレンド
①「第一印象至上主義」…最初に感じた第一印象やその時に起こった感情を絶対視してしまう。
②「考えるより探す」…自分で回答を考えるのではなく、大勢の意見から、自分に合った意見を選ぶようになる。
③「中間はいらない」…超メジャーな人は生き残るが、それまでそこそこ食えていた中間のプロはいなくなっていく。
それらを押さえた上で予測することで、未来の方向性が見えやすくなる、と岡田斗司夫氏は言います。
岡田斗司夫の未来予測
未来格差という考え方、また、社会の価値観変化の方向性、というものを学んだところで、
では、未来はどうなっていくのか。
具体的な未来の姿、岡田斗司夫氏がどんな予測をしているのか、
それらを見ていくことにしましょう。
『ユーチューバーが消滅する未来』という本の中に、
岡田斗司夫氏がニコ生「岡田斗司夫ゼミ」で語った未来予測〔7個〕というものがまとめられていますので、それを紹介していきます。
自分を「盛る」ことが当たり前になる
インターネットの普及が進んで、アクセスを集めることで利益を得ることが可能な環境が整いました。
その結果、フェイクニュースを量産して大金を稼ぐような現象までもが見られるようになったのでした。
それはケシカラン!として、フェイクニュースを排除しようとする動きもあります。
しかし、一度広まった手法は、その後も後を絶たず、
手を変え品を変え、加工されたニュースは、今も世界を駆け回り続けています。
しかし岡田斗司夫氏は、フェイクニュースか否かを判定するのは、もう「無理筋」だと言っています。
多くの人にとって、実は、
もうすでに「ニュースが真実かどうか判断する」ことは重要でなくなってきている、
フェイクニュースを受け入れることが「文化」になりつつある、
とさえ言っています。
選挙に行ったところで社会はそう簡単には変わらないし、
少々努力して勉強や仕事をしたところで自分のポジションは変わらない。
社会も自分もポジションも変わらないのなら、
世界を変える唯一の方法は「盛る」ことだけ、と多くの人が考えるようになっていくのも仕方なし、
というわけです。
すでにこの世界は、現実よりも「盛った」ものというのを優先するようになっている。
その「盛った」という現場に自分が立ち会えたことをSNSでシェアする「盛り文化」になっている。
岡田斗司夫氏は、そのように述べています。
これだけ格差が開いた世界において、みんなが納得できる解なんてない。
そんな鬱屈を抱えて生きるより、自分の現実をそれぞれデコって生きる。
「みんなが同じ現実に向き合う」のではなく、「それぞれが別々の現実を生きる」。
そんな世の中になっていく。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測1つ目、「自分を「盛る」ことが当たり前になる」の中身です。
AIがユーチューバーを淘汰する
未来を予測するにあたっては、
今後、AIがどうなっていくのか、AIの動向に大きく左右されることは間違いありません。
これからAIが進化していけば、外国語との言葉の壁は溶けていく。
そうなると、日本のユーチューバーは、必然的に海外のユーチューバーとの競争になる。
10年後の世界では、「日本だけ」の、商品やコンテンツはどんどん少なくなっていく。
そのため、日本人ユーチューバーのほとんどは食えなくなる。
また、バーチャルユーチューバーが拡大していく流れから類推して、
動画配信をするのが人間でなければならない必要性は、今後ますます薄れていく。
そうなると、
人間よりも正確で精巧なAIによる動画配信の方が、
より多くの人に支持される世界というものが容易に想像できる。
人間ユーチューバーは、AIユーチューバーに淘汰されるにちがいない。
岡田斗司夫氏は、そのような未来予測を行っています。
小学生「将来なりたい職業」ランキングの上位に位置するまでにその存在感を見せつけるようになった「ユーチューバー」。
ですが、
将来的には、人間ユーチューバーはAIユーチューバーに取って代わられるに違いない、
というのが岡田斗司夫氏の見立てです。
岡田斗司夫氏の未来予測では、あらゆる方面で、AIの影響を受け変容を遂げた姿が描かれます。
未来においては、人工知能、AIの進化状況が、その時点での社会の在り方を規定する、大きな要素になるであろうことは、まず間違いなさそうです。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測2つ目、「AIがユーチューバーを淘汰する」の中身です。
アイドルは新時代の貴族になる
1970年代に、未成熟だとか身近さといったイメージを売りにして確立した「アイドル文化」。
しかし、それも大きく変質し、人がアイドルに求めるものも変わってきている、
と岡田斗司夫氏は言います。
アイドルの元々の意味は「象徴」とか「偶像」ということで、
芸能におけるアイドルも、可愛さだったりカッコ良さだったり、
それぞれが何らかの「象徴」として存在してきました。
しかし、そうした「象徴としてのアイドル」の時代は終わろうとしている。
そのように岡田斗司夫氏は語ります。
これまではアイドルとして扱われてきた人たちが、
自分の意志で動こうとする、スター性を取り戻そうともがく。
そういう動きが、ここ最近は、社会のあらゆる面において頻発してきている、
というのです。
岡田斗司夫によれば、
10年後のアイドルは、「世襲制アイドル」と「成り上がり型アイドル」の2種類に大きく分かれるだろう、
とのことです。
「世襲制アイドル」とは、両親がスター等で、生まれた時からアイドルとして生きることが当たり前になっているアイドル。
「成り上がり型アイドル」とは、アイドルを目指してアイドルになるのではなく、何かの分野の第一人者になった人が社会の注目を集めてアイドルになる、という形のアイドル。
これは、たとえるなら「イギリスの貴族」のようなものだ、と岡田斗司夫氏は言います。
イギリスの貴族には、貴族の家系に生まれた人と、一代限りの爵位を授けられた人がいるように、
アイドルもこういう「身分」になっていくだろう、というのです。
アイドルというのは「新時代の貴族」のようなもの、というわけです。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測3つ目、「アイドルは新時代の貴族になる」の中身です。
アマゾンが不動産へ進出する
一昔前。日本にはネットショッピングは根付かないだろうと言われていました。
ところが、今、どうか。
コロナの影響もあって、
もはや、ネットショッピングなしでは社会生活が成り立たないのではないか、という程までに、
一般大衆に浸透しています。
この項目は、ネットショッピングに関しての未来予測。
岡田斗司夫氏は、私たちは安さと便利さに勝てない、と述べています。
最初は不安でも、圧倒的に安くて便利だったら、やはり、時間が経てば少しずつ広がっていくのです。
アマゾンなどネットサービスの圧倒的な安さや便利さは、人々の不安や恐れをたやすく凌駕し、今後ますます拡大していくことは間違いありません。
アマゾンは、最初、ネット上の書店としてスタートしました。
その成功のキモは、【多品種少量販売】というものでした。
最近のアマゾンはデジタルコンテンツに注力していますが、アマゾンのビジネスを大きく飛躍させるキモとなった【多品種少量販売】。
アマゾンがまだ参入していないが、それに適している業界。それが「不動産」業界です。
岡田斗司夫氏は、いつか、アマゾンは不動産の業界へ進出するだろう、と予測します。
確かに、考えてみれば、不動産こそ、究極の多品種少量販売の商材と言えるかもしれません。
同じ商品は一つとしてなく、物件ごとにすべて異なり、それを1対1で取引するわけですから。
まさしく、【多品種少量販売】そのもの。
不動産は、アマゾンのビジネスモデルに最適の対象だ、
という岡田斗司夫氏の指摘には、うなずかされるばかりです。
ただ、現状は、不動産業は免許制で、規制でがんじがらめ。
そのため、すぐにすぐ参入してくるということはなさそうです。
しかし、今後、規制緩和の動きが進んで、権力による規制が緩和されさえすれば、
きっとアマゾンは不動産業界へ進出するだろう、と岡田斗司夫氏は予測しています。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測4つ目、「アマゾンが不動産へ進出する」の中身です。
バーチャルとリアルの恋愛の境界が消える
10年後、私たちは、画面から飛び出してきた美少女やイケメンと恋をするようになるだろう、
と岡田斗司夫氏は述べています。
その理由の一つとして、
最近の若者は、彼氏/彼女は欲しいけど「コスパが悪い」と感じるようになってきている、
ということを挙げています。
今や、若い世代にとっては、「リアルには不要な雑音が多すぎる」ようになってしまったのだ、
と岡田斗司夫氏は言います。
最近は、「インスタ映え」といって、ソーシャルメディアのインスタグラムに見栄えの良い写真をどんどんアップする行為が、若い世代では当たり前になっています。
そのインスタ映えで大事なのは、見た目であり、実際の味ではないのです。
現実世界=リアルは、VR(バーチャルリアリティ)が普及、拡大しつつある現代を生きる私たちにとって、雑音、ノイズが多すぎる。
そしてそれは、すなわち、「リアルであることの価値が暴落している」ということでもある。
岡田斗司夫氏はそのように指摘しています。
それは当然、恋愛においても然り。
リアルとバーチャルな恋愛の境界は、ものすごい速さでなくなっている。
恋愛は、ノスタルジーの対象になりつつある、とすら岡田斗司夫氏は言っています。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測5つ目、「バーチャルとリアルの恋愛の境界が消える」の中身です。
AIロボットが家族の代わりになる
AIの発展にともなって家族がどう変化していくのか、という方面の未来予測。
AIの進化は、人類の未来に多大な影響を及ぼす。
その話は、岡田斗司夫氏の未来予測のあちこちに出てきますが、これは、その中の家族関係に関しての話になります。
AIロボットがどんどん進化してきているというニュースを、私たちは、時々目にします。
岡田斗司夫氏は、AIロボットが家庭に入ってきたら、便利になることは間違いないが、それと同時に、家族のあり方が今とはずいぶん違ったものになるだろう、と予測しています。
たとえば、AI、人工知能は、24時間全力でユーザーの相手をしてくれます。
人間の家族は、24時間365日機嫌がいいわけではないし、そもそも家族仲がよくないことだってあります。
ストレスを感じながら人間の家族と無理に話を合わせるくらいなら、「今日はどうだった?」と聞いてくれたり、意外なボケで笑わせてくれる人工知能の方がずっといい、AIがあれば家族なんていらないや、という人も、きっと増えてくるにちがいない。
将来、人工知能やロボットが生活に入り込んだ頃には、
「平成の頃は、家族全員が同じ味付けの料理をいっしょに食べていたんだって」とか、
「昔は、自分の興味がないことを話している友達にも、ちゃんと相づちを打っていたらしいよ」とか、
若者が驚いている光景が目に浮かぶ。
そんなことまで、岡田斗司夫氏は述べています。
以上が、岡田斗司夫氏の未来予測6つ目、「AIロボットが家族の代わりになる」の中身です。
人口知能が政治を変える
これもAIがらみ。
AIの発展にともなって政治がどう変化していくのか、という方面の未来予測。
前アメリカ大統領のトランプ氏が大統領に就任した頃(2016年)に、「ポストトゥルース」と言う言葉が盛んに用いられたそうです。
コトバンクによれば、
ポストトゥルース(post truth)とは、
《「真実後、脱真実」の意》 世論の形成において、客観的事実よりも感情的・個人的な意見のほうがより強い影響力をもつこと。受け入れがたい真実よりも個人の信念に合う虚偽が選択される状況をいう。
だそう。
トランプ前大統領は、就任当時、「ファクトなどない。オピニオンがあるだけだ」と言ったとのこと。
世界の真実・事実というものはもはや意味がなくて、そこにあるのは「意見の相違」だけだと言ったわけです。
そうした発言は、当然、良識派とされる人々から、ファクトのチェックこそ大事ではないかという大反発を招きます。
が、岡田斗司夫氏は、
“そういう良識派の人たちが言わんとしていることも、気持ちもよくわかる。だが、それはもう無理がある”
と言います。
ウソの情報を流すのは極めて簡単なのに対して、それが正しいかどうかを検証するのは何倍もの手間がかかる。
検証している間に、次々と新たな情報を出されたら、世の関心は新しいニュースに向かい、元の情報が正しかったかどうかなんてどうでもよくなってしまう。
しかし、流された情報によって引き起こされた「感情」だけは、洗い流されることなくそれぞれ受け手の深層に澱のように積み重なっていく。
感情というフィルターを通過する情報には、冷静なファクトチェックなんてできないだろう、と岡田斗司夫氏は言います。
膨大な情報に振り回され、ファクトチェックも出来なくなってしまった我々が政治家を選ぼうとすると、どうなるか。
「誠実そう」とか「はっきりモノを言い、決断力がありそう」とか、結局、キャラクターで政治家を選ぶことになります。
古来、人間は、キャラクターで政治家を選ぶ=「キャラクター主義」と、
厳格な法律に従って国家を運営しようという「ルール主義」の間を
行ったり来たりしながら歴史を重ねてきました。
ルールで大勢の人間をまとめて共同体を維持する「ルール主義」で統治できれば言うことない。
しかし、ファクトよりもオピニオンの方が力が強い世界では、それは困難。
岡田斗司夫氏は、これからの政治に必要なのは、
「政治人工知能(AI)」と「人望を集めた人間の政治家」のペアだと言います。
AI=人工知能が、データを集めて「人間にとって一番有益な選択肢は何か」を提示する。
そしてそれを、人望のある人間の政治家が決断し、その人望を基盤として大衆に訴え、実行に移していく。
そういう政治が望ましいのではないか、というわけです。
今でも富裕層は税率や得られるサービスによって拠点とする国を選んでいますが、
これからの国家や都市は、魅力をアピールして、住民や観光客を惹きつけなければ、衰退していく一方でしょう。
そうならないためにも、人工知能などのテクノロジーをフル活用して、合理的な政治を進めていくことが不可欠になる。
そのように岡田斗司夫氏は予測しています。
岡田斗司夫氏の未来予測の7つ目、「人口知能が政治を変える」は、ちょっと岡田斗司夫氏の願望も含まれた予測でした。
予測される未来へ、どう対応すべきか
前項まで、『ユーチューバーが消滅する未来』に書かれてある、岡田斗司夫氏の未来予測を紹介してきました。
では、そうした未来予測を受けて、どう対応していけばいいのか。
岡田斗司夫氏は、この本の終章でそれを簡単に述べてくれていますので、最後に、それを簡単にまとめて、紹介します。
まとめ
- 未来がどうなるのかを常に意識し、自分の行動に反映させる力、すなわち、未来に対する感度とそれに基づく行動力。それが、この先はより重要になっていく。
- 未来に対する感度とそれに基づく行動力から生じる「未来格差」の下層に沈んでしまわないように、未来に対する感度を高める努力を怠ってはならない。
以上、岡田斗司夫『ユーチューバーが消滅する未来』(PHP新書)を元に、岡田斗司夫氏の未来予測の一部を紹介させて頂きました。
いかがでしたか?
一つの未来予測として、参考になることも多かったのではないでしょうか。
この本の出版は2018年で、世の中がまだコロナ禍に襲われる以前のものですが、
それでも、AIによって大きく社会が変化していく姿が示されていたように思います。
そしてそこに、さらに、コロナ禍という大きな大きな節が上乗せされました。
ただでさえ大きな変わり目に立っていた世界は、加速度的にその変化を進行させるであろうことは間違いないでしょう。
どういう方向に変わっていくのか。
これからも、いろいろな人の発信に触れて、変化の波に取り残されないように勉強していきたいものです。
岡田斗司夫氏が言うように、面白がりながら。
ではでは、今回はこのへんで。
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