皆さん、こんにちは。
新型コロナワクチン感染症もだんだん沈静化している様子で、喜ばしい限りです。
さて、前回ごくごく大まかな「天理教の葬儀の流れ」をなぞりましたので、今回はそれを少し深めたいと思います。「天理教の葬儀」祭儀式についての自己学習シリーズの続きです。
今回は「みたまうつし」について勉強したいと思います。
「みたまうつし」とは
「みたまうつし」とは何か、についての一般的知識を抑えておくこととします。
「みたまうつし」は、漢字では「御霊移しの儀」や「御霊写しの儀」などと表記します。
株式会社ユニクエストHP「小さなお葬式」(みたまうつしの儀とはどんな儀式?)より
神道や天理教などにおいて亡くなった方を弔う際、故人の魂をほかの場所へ移す儀式です。
正式には「遷霊祭(せんれいさい)」と呼ばれ、現在では仏教の通夜にあたる「通夜祭(つやさい)」のときに行われることが多くなっています。
魂を移すものにはかつては鏡が使われていました。現代では白木の霊璽(れいじ)や愛用品などを用いる方が増えています。故人の魂が宿ったものはみたましろと呼ばれ、仏教での位牌に近いものと考えられるでしょう。
天理教の「みたまうつし」
それでは、ここから、天理教の「みたまうつし」について、勉強していきます。
準備
- お出直しになられ教会の方に連絡が入ってきた際、仏式ではなく天理教式の葬儀をしてもらいたいのかどうか、を確認する。
- 天理教式の葬儀をしてもらいたいとなった場合、まず決めなければならないのは、葬儀の日取り、斎員の人数、費用、並びに葬儀委員長等、である。
- 日取りを決めたら、葬式、告別式の出棺の時間を一番最初に決め、それを基準に遡って考えていったらよい。
その後、以下の通り準備する。
- 霊床(みたまどこ)を設け、霊璽(れいじ)を安置する。
- 適当な所に祓床(はらいどこ)を設け、大麻(おおぬさ)を置く。
- 「亡骸(なきがら)」の前に供燈、供饌する。(柩前(きゅうぜん)の場合も同じ)。
- 諄辞(じゅんじ)(葬儀祓詞、「うつしの詞」「しずめの詞」)を用意する。
- 玉串、調饌 及び装具の用意をする。
殯室(ひんしつ)(遺体を安置する部屋)における準備
- まず、部屋で、亡骸を綺麗に清拭する。
- その後、亡骸の頭を、北あるいは西、もしくは床の間に向ける。
- 亡骸を布団に寝かせ、死装束に着替える。「おつとめ衣」+白足袋が望ましい。そして、顔に白布を掛ける。
- お守りの人と弔問者との位置関係は決まっていない。
- 枕辺に3台または5台位の御神饌(枕辺献饌)をする(柩前の場合も同じ)。
- 枕元に「お灯明を一燈」上げる。
- 故人が使っておられたお茶碗に水を入れて、榊の葉っぱを一枚付けて置く。そしてお別れに来られた人に「水向け」(霊前に水を手向けること)をして頂く。
- 枕元に供えたお灯明(一燈)は、発葬の儀が終わるまで点けておく。
式場 の準備
- 式場は、殯室と部屋が離れていても1つの部屋にまとめても、どちらになってもよい。
- まず、式場の方に斎壇を設ける。下には白布を敷いて斎壇を正面に置き、「お社」を一番上に置く。
- 次に、白い神(奉書)の紙筒で覆い包んだ「霊璽」を置く。
- 次に、「三燈のお灯明」を置く。
- 斎員の席は、座布団でよい。人数に応じた席を設ける。
- 次に、調饌場を設ける。そして、玉串 及び葬具の用意をする。
- 次は、楽人の席を設け、譜面台、消灯・点灯の際の手燭、マッチ等を設置する。
- 故人の写真は、「みたまうつし」であるので、有っても無くてもよい。
- 周囲には、戸帳を張り巡らす。お供え物や花などがあれば、斎壇の左右に飾る。
祓床(はらいどこ)の準備
- おぢばの方向に向けて、適当な場所に「祓床」をつくる。
- 屏風は、無くてもよい。
- 大麻(おおぬさ)の麻緒が手前になるようにする。
霊璽 の準備
- 霊璽というのは、仏式の位牌のこと。 お道においては、木片(あるいは厚紙)で作られる事もある。(葬儀社のものを利用してもよい)。 本部においては、お社に入る大きさ、高さ約15cm、幅約3.5cm、奥行き約3cm程度で、それに台が付いている。
- これに、お出直しになった人の名前を正面に「▢▢▢▢之霊璽」(「故」は付けなくてもよい)、右側の面には「▢▢▢年▢▢月▢▢日出直」、左側の面には「享年▢才」と墨で書き、白い紙(奉書)の紙筒で覆い包む。
- この霊璽に、亡骸から御霊を遷して、そして仮御霊舎にお鎮め申し上げるのが「みたまうつし」の式である。
- 霊璽は、御霊代であるので、丁寧に取り扱う。
- 「みたまうつし」で新御霊舎に納め、祖霊殿に合祀する日までお祀りする。
- 合祀の際、御霊帳に記載し、後で、不敬にならないよう十分配慮の上で焼却処分する。
- 霊璽は、合祀する場所の数によって、その本数分を用意する。
その他
- 名旗の書き方 「▢▢▢▢之柩」あるいは「故▢▢▢▢之柩」
- 墓標の書き方 霊璽と同様
- 葬儀における「玉串」には、紙の四垂を用いる
(斎主玉串は、奉書(新聞紙一面)の4分の1。参列者玉串は、奉書8分の1。)
斎員
- 斎主、副斎主、典礼、祓主、大麻〔祓師〕、後取2名、装束師2名。
- 役付けは、斎主はだいたい会長、斎員は役員級の人達が勤める。
- 後取や装束師の役を勤める人が、祭儀式を一番よく心得ておかないといけない。
- 厳粛な式にするためには、言葉を発してはいけない。間違った場合、持ってる「笏」あるいは「中啓」で、典礼が指図する。気付かない場合は、止むなく声を発する。それも、典礼が一言で注意を促す。他の斎官は知らん顔で座っていたらよい。
服装
- 斎主は重服(中啓)、斎員は浄衣、装束師は装束師服。
(※中啓……親骨の上端を外にそらし、たたんでもその上部が6、7分半開きになるように作った扇のこと)
※服装については、「重服」を持っていないため、止むを得ず教服で勤めている所もある。
式次第
- 喪主、家族、親族、その他の参列者が順次着席し、定刻になったならば開式する。
着席
- 斎主以下斎員一同、霊床の前に着席する。(一揖)
【着席順序】……①斎主、②副斎主、③祓主 + 大麻〔祓師〕、④後取2名、⑤典礼、⑥装束師2名。
- 斎主以下斎員が、まず亡骸の所に行き、座って亡骸に礼拝する。
- 典礼が先導して、式場入口で立って小拝(斎壇下手で迎える場合は、座って小拝)で斎員を迎え、式場に入場。
- 霊床にはまだ御霊様は鎮座されていないので、斎主は立拝して段を昇ったら、すぐに自席に座って小揖。
- 同じ要領で、副斎主、祓主と大麻〔祓師〕、続いて後取2名が着座。 次に典礼が着座。最後に装束師2名が出てきて立拝をして下がる。
- 全員着座終われば、一揖。
祓詞(はらいことば)奏上
- 祓主が、祓床にて「葬儀祓詞」を奏上する。
(神具としての大麻に向かって、これから行う神事の前に『祓』を行うということの祝詞をあげる)
- まず、典礼が、祓主(大麻〔祓師〕)に対して気色(合図)を行う。
- それを受けて、祓主は、祓床にて葬儀祓詞を奏し、礼拝(2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝)する。
- 祓主が、祓床で「祓詞(はらいことば)」を奏上する。
(従って、祓主は式前に「祓詞」を懐に入れておかなければならない。) - 大麻〔祓師〕が「大麻行事」を行う。
※「祓詞」(はらいことば)……神事の前に必ず行われる祓の時に唱えられる祝詞の一種。(Wikipediaより)
- 掛巻(かけま)くも恐(かしこ)き天理命の宇豆(うず)の御前を遥かに拝(おろが)み奉りて、恐み恐みも曰さく……
- 掛巻くも畏(かしこ)き親神天理王命の厳(いず)の御前を遥かに拝み奉りて、恐み恐みも曰さく……
というように、『天理教祭文作例集』では、宣詞文の言葉で書いてある。
この諄辞の奏上の仕方というのは、非常に古い昔の言葉が使われているので、字が読み難い。従って、振り仮名をふっておくとよい。
また、神言葉であり歌言葉であるから、節回しを付けて乙音で奏上する。
ここまでが、「祓主」の役。(=祓主は、祓床で「祓詞」を奏上する役割)
祓行事
- 式場を清める。
- 祓主による「祓詞」奏上が終わったら、大麻〔祓師〕により、大麻行事が行われる。
(大麻〔祓師〕が行うが、祓主が大麻〔祓師〕を兼ねている場合には、祓詞奏上に続けて大麻〔祓師〕の役も行う。その場合には、2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝 の礼拝が終わったら、もう一度拝をし、笏を腰に差す。)
《祓主による「祓詞」奏上終了→典礼が大麻〔祓師〕に気色(合図)》
- 大麻〔祓師〕が、仮霊床に進み、祓行事を(立ったまま)行う。
一拝し、(神具としての)大麻を手前に引くと共に上体を起こす。初めに左を祓い、正面に戻して次に右を祓う。再び正面に戻して更に左を祓う。また正面に戻し、一拝する。
(神具としての)大麻を持って歩く時は、垂(しで)が前方に垂れるように麻串を斜めにする。右手上、左手下にして、胸前で持つ。 - 次いで、神饌所に至り、神饌を(立ったまま)祓う。
- 斎主を祓う。
- 副斎主側斎員を祓う。
- 祓主側斎員を祓う。
- 斎場を降り、参列者を祓う(立ったまま)。
- 大麻〔祓師〕は、参列者の祓行事が終われば、装束師の前に至り、相共に正座。右手を上に左手を下にして(神具としての)大麻を横に倒し、互いに小揖。右手より離し、装束師に(神具としての)大麻を渡して出笏。互いに小揖して立座。自席に復して小揖する。
- 装束師は、大麻〔祓師〕が参列者を祓い終われば、相共に進み正座。互いに小揖し、大麻〔祓師〕の手と手の間を、左手を伸ばして取り、右手にて下部を取る。(神具としての)大麻の先が右になるように持ち替え、前に引いて互いに小揖して立座。上転回して持ち去る。
「みたまうつしの儀」
- 大麻行事が終わったら、「みたまうつしの儀」に移る。
《「大麻行事」終了→典礼が副斎主に気色(合図)》
- 副斎主が、霊床より霊璽を棒持し亡骸の前に置く。
……副斎主、小揖して立座。仮霊床前にて正座一拝の後、覆面を掛ける。一拝して立座。霊床より霊璽を小案にのせて棒持。
※距離が遠い場合には、副斎主が立って霊璽を持ち向こうへ行き、亡骸の所へ据えたその時点で、典礼が斎主に気色したらよい。その後、斎主が立ってそちらの方へ行く。近い場合は、副斎主は戻ってきてよい。 - 着席 —―― 典礼の気色により、斎主以下斎員一同、亡骸の前に着席する。
〔霊床から殯室(ひんしつ)(遺体安置部屋)への退座順序〕
①斎主 後取これに従う
②副斎主、祓主、大麻〔祓師〕、典礼、装束師
③喪主、近親者
※退座後、準備の者が直ちに、式場から亡骸の部屋まで、白布を敷く
※霊璽の覆いを除くと共に、亡骸の顔に掛けた白布を外すのは、副斎主あるいは後取。 - 斎主「うつしの詞」奏上。
亡骸の前に着席後、斎主が一拝するのを見て、後取が「うつしの詞」を斎主に渡す。
斎主は微音にて「うつしの詞」を奏上する。(「うつしの詞」は、後取が事前に持っておく)
※この時に、地方によっては、斎主が霊璽を持ち、亡骸の頭の上で3回程回す所があるが、本部ではそういう事はしていない。ただ「うつしの詞」を奏上して、後の礼拝で「おうつり下さいますように」と御祈念を申し上げるだけ。余計な動作はしていない。御祈念によって、お願いして、亡骸の御霊に霊璽におうつり頂くことが本意。
斎主の「うつしの詞」奏上が終われば、後取がそれを受けて懐に納める。 - 斎主礼拝(2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝、拍手は微音)。
この時、斎員は、手を打たず礼拝のまま。 - 斎主礼拝が終わったら、斎主は覆面を掛け(この時消灯)、霊璽を右手に棒持し、左袖で前を覆って霊床に向かう(手はどちらになってもよい)。
※全部電気を消す(消灯、点灯の係が必要)。 - 装束師(あるいは後取)2名は、手燭に火を点じ、斎主の足元を照らし、そして、警蹕を唱えながら、霊床に向かう。
(お遷り頂く道中、後取2名が警蹕を発声するが、2名が交互に唱えて、声が途切れないようにする。片方の人が発声している間、片方が休んで途切れないように、低い声で続ける。)
※警蹕………「蹕」は通行人を制止する意。天子の出入りや、貴人の通行の際、声をかけて人を戒め、先を払うこと。下に向いて「おお、しし、おしおし」等ともいう。
※装束師は、手燭(明かり)を持って、斎主・斎員の足元を照らす。
※副斎主以下斎員は、後取の後に続いて霊床に向かう。
「みたましずめの儀」
- 続いて、御霊様に霊璽へおうつり頂き、その御霊様をお社にお鎮めする儀式=「みたましずめの儀」に移っていく。
(※準備の者が白布を片付ける。)
- 暗がりの中、斎主が立ち上がり、霊璽をお社の中に納める。そして、開扉の後、お鏡を正面に据える。(斎主以下、小拝のまま待つ)
- 装束師(あるいは後取)が、直ちにお灯明を点け、霊床の横のボンボリも点ける。
(お灯明が点いた時点で室内点灯する。) - 点灯になれば、斎主は覆面を外し、礼拝をする。
(斎主だけ礼拝する。重服を来ているので、中啓を持って、 2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝 の礼拝を行う。他の斎員は小拝のまま。) - 復席 —―― 斎主の礼拝後、斎主以下斎員一同、所定の席に復席する。
「献饌の儀」
- みたましずめが終わったら、覆面をして献饌を行う。
献饌には、斎主、典礼は加わらない。
《「みたまうつし⇒みたましずめ」終了→典礼が副斎主以下斎員に気色(合図)》
- 典礼の気色により、副斎主の献饌長以下斎員(足りない分は準備委員・その他の者手伝い)が、献饌を行う。
「玉串奉献」「しずめの詞」奏上
- 献饌の後、斎主により、玉串が奉献され、続けて「しずめの詞」が奏上される。
- 献饌が終わったら、装束師2名が、霊前に玉串案を据える。
【装束師、玉串案を霊・柩前に据える法】
新御霊前に至り、正座して案を置き、足の下部に手を添えておもむろに向こうに送り、一拝して立座。2歩退がり転回して、自席に復する。(装束師がいない場合には、後取2名が据える。) - 装束師2名は、霊前に玉串案を据えたら、一旦下がって、その後、改めて「玉串」と「しずめの詞」を後取にすすめる。
【装束師、玉串を後取に伝送する法】
玉串は、左手を上向きにして玉串の中央を持ち、右手を下向きにして元の方を持ち、先上がりにする。装束師は、後取の前に座れば互いに小揖し、次に玉串の先が右になるよう右手と左手を持ち替えて(この間、後取は納笏する)。両手を伸ばして玉串を後取に渡し、小揖の後、復席する。 - 典礼が斎主に玉串奉献の気色(合図)を行う。
斎主は、月次祭・大祭と同じように後取を従えて正面に進む。
【後取、玉串を斎主に渡す法】
斎主の後に従い新御霊前に至り、両後取 並んで正座、膝進して小拝(上体を前に屈むのみ)。斎主一拝するのを見て膝行して座り、玉串の先を向こうにして右手をすり上げ左の手の下を持ち、右手にて先を廻すと共に、左手は玉串の元を持って、斎主の右膝頭に向け差し出す。
斎主に玉串を渡し終えれば膝退して、笏を握り小拝。 - 斎主が玉串奉献を行う。
【斎主、玉串奉献の法】
新御霊前正面に至り、正座膝退して一拝。笏を置き、後取より玉串を受ける(右手を伸ばして外側より玉串の中程を右手上向きにして取り、左手を上向きにして玉串の元を取る)。玉串を正面に直して、先上がりに斜めに高く捧げ上げ一拝。次に上体を起こして玉串をそのまま前に引き、左手と右手を持ち替えて(左手をすり上げて右手の下を持つ)、幣(しで)を霊・柩前に向ける。左手にて肩先と同じ位にして玉串を持ち、右手は両膝上に横たえ、膝の前にすり出しつつ手を握り拝伏する(この時、左手に持った玉串の元が床につかぬよう、なお玉串が前に倒れぬように注意すること)。
再び、玉串を正面に直し、左手と右手を持ち替え、前の如く一拝する。更に、再び前の如く拝伏する。
三たび、前の如く一拝した上体は、そのまま起こさず膝進。玉串筒に挿し、左手を引き、右手にて正しく立てて供え、右手を引き膝進。笏を握り一拝する。 - 斎主が、玉串奉献に続けて「しずめの詞」を奏上する。
【斎主諄辞奏上の法】
左膝頭のところで、後取の差し出す諄辞の中程を左手で(親指を上、他の4指を下にして)受け取る。笏を左膝上に移して笏の上に諄辞を載せる。右手を笏頭にすり上げ、左手を笏尾に下げ、正面に直して一拝する。
次に左膝を開き、諄辞・笏を持つ手を左膝上に移し、右手をすり下げて諄辞・笏の中程を持つ。左親指を折り口下端に挟み中程まですり上げ、右手にて笏を持ち、諄辞の上に伏せる。笏と共に諄辞の折り口を開き始め、左手にて左へ左へと開き、開き終われば膝を元に復して一拝する。
頭を上げると、手元の下がらぬようにして諄辞を読み始める。「……慎み嘆かいて曰(まお)さく」のところにて一拝。 終わりの「……恐(かしこ)み恐みも曰す」にて一拝。 上体を元に復して左膝を開き、左より右へ右へと諄辞を巻き、折り口を笏と共に伏せ、笏を下に戻して、右手を笏頭に、左手を笏尾に持ち替え、膝を復して一拝する。
その後、再び諄辞・笏を持つ手を左膝上に移し、右手を中程まですり下げ、左手にて諄辞の中程を持ち、後取に渡す。
次に左手にて笏頭を持ち、右手を笏頭に移して持笏にとり、姿勢を正して礼拝(2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝)をする。
以上で終わりとなるので、膝退、立座をして、2歩退がり、自席に復する。 - 復席したら「しずめの詞」を装束師が取りに行く。装束師がいない場合は、後取が置きに行く。
斎員列拝
- 続いて、副斎主以下 斎員が列拝する。
- 副斎主以下斎員、霊前に座る。
- 副斎主のみ膝進。以下、斎員は正座すれば直ちに小拝。
- 斎主の合図を受けて、副斎主以下 斎員一同(伶人共に)礼拝(2拝 4拍手 礼拝 4拍手 1拝)する。
- 副斎主のみ膝退。
- 副斎主以下 斎員一同、立座、2歩退がり立拝して、自席に復する。
喪主以下 参列者の玉串奉献
- 斎員列拝が終わったら、喪主以下の参列者が玉串を奉献する。
※そのために、装束師(あるいは後取)が、斎主玉串案の手前に案を据え、他方の装束師(あるいは後取)が、玉串を載せた案を持って祭壇の下に座る。
- 喪主、家族、その他、順次、玉串の奉献、礼拝を行う。
※一般玉串の四垂は、通常コヨリで榊に結ぶが、コヨリを用いない場合もある。
玉串奉献が済み、全員退がられたら、それで式が終了となる。
斎員 退場
- 斎主以下斎員一同、退手・退場する。
【退場順序】……①斎主、②副斎主、③祓主 + 大麻〔祓師〕、④ 後取2名、⑤典礼、⑥装束師2名。
- 斎員が退手(2拍手 1揖)して、斎主から順に退場する。
その際、入場の時には、この霊床には御霊様が入っておられなかったので座って拝をしなかったが、退場の際には、座って一拝をする。 - その後、亡骸の所へ行き、挨拶をして下がる。
- 「みたまうつし」が終わると、喪主 葬儀委員長が、「後は内々におきましてお通夜を相営ませて頂きます」と挨拶する。
終了後
- 一般参拝の方々がお帰りになるので、お帰りになったら、その後、身内の者、御親族の方が残って、お通夜をする。
- 夜も更けて、休ませて頂くような時間になると、通常「納棺」をする。
- 埋葬の場合には座棺。火葬の場合には寝棺が多い。
- そして、翌日の告別式のための準備をする。
「みたまうつし」の注意点
※「みたまうつし」は、御霊様を霊璽におうつり頂いて、お社にお鎮めするための式。
(亡骸とお別れする式は、翌日の「告別式」。)
※御霊様は、五十日祭まで、別にお祀りする。
※教会の場合、神殿で式をする所が非常に多い。御簾のある所から上は、神様の領域であるから、御簾をおろしてしまって、狭ければ横向きでも構わないので、参拝場を式場に使えばよい。
以上、天理教の「みたまうつし」についてまとめてみました。
内容は、天理教教会本部祭儀委員会編集『おつとめ及び祭儀式』、郡山大教会布教部作成『葬儀に関する資料』を参考にしました。
もしかしたら間違えている部分があるかもしれません。
気付いたら適宜修正していきたいと思います。
次回は、天理教の「告別式」についてご紹介したいと思います。
ではでは、今回はこのへんで。
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