神道葬祭前儀という神道葬祭の流れを学ぶ【天理教葬儀の祭儀式学習第1弾】 

vortex 天理教の葬儀

皆さん、こんにちは。さまよい人です。

私は、令和元年に天理教教会長にした中年男性です。
教会長に就任してまだ日が浅く、わからないことだらけです。

その中でも、この先いつかは遭遇するであろう「葬儀」については、これまでお手伝いすることはあっても、主になって勤めた経験はないので、とにかく不安一杯です。
これまで漠然と、一度きちんと勉強しておかないと…と考えてはいたのですが、なかなか手が付けられずにここまできました。

そこで、ブログを始めたこの機会を利用し、ブログ記事作成をモチベーションとして、『お道の葬儀』について学習してみたいと思います。そして、その学びをブログ記事としてシェアさせて頂くことと致します。

自己学習ならば、別に公開せず自分の中で完結させればいいじゃないか、というご批判の声が聞こえてきそうですが、「もしかしたらそれを見て多少は参考になる人もいるかもしれない」と考えたのと、「なかなか更新できないブログの記事として取り組む」という形をとることによって私がやっと重い腰を上げることができる、という2つの理由で、ブログの記事として公開することにしました。

ということで、この記事は、基本的に私の自己学習が主目的ですが、私と似たような境遇の方の目に触れて多少なりとも参考になることを(ほんの少しだけ)願いつつ、進めさせて頂きます。

「天理教葬儀の祭儀式についての自己学習シリーズ」始まりです‼

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神道葬祭について

天理教の葬儀は、かつて教派神道の一派として過ごした経歴の影響で、神道葬祭が基盤となっています。

そこで、「神道における葬儀」はどういうものなのかについて調べてみました。

図書館で、西牟田崇生編『家庭の祭祀事典』(国書刊行会)というのを見つけ、そこに「神道葬祭(神葬祭)の祭儀」(P.209~219)として手短にまとめて書いて下さっていたので、それをもとに学習したいと思います。

西牟田先生は、神道葬祭を、①前儀、②本儀、③後儀、の3つに分けて説明して下さっています。

神道葬祭(神葬祭) 前儀

今回は、神道葬祭(神葬祭)の前儀について勉強します。

枕直しの儀

 故人に対する最初の儀礼として、その死を憂い、生前の高き徳を偲びつつ、今後の葬儀の段取りを整える儀式である。
 遺体を殯室(遺体を安置する部屋)に遷して、首位を北方(もしくは東方または室の上位)にして安置し、面部(顔)を白布で覆い、白色の枕屏風を立て、灯火を点し、守刀(または守鏡)を枕頭に置く(守刀は小案〔小机〕の上に柄を向こう側にして、刃は外側に向ける)。
 前面には案を設け、生前に嗜好した日常の食膳(常膳)もしくは洗米・米・塩・水などを供え、家族などの近親者や親しい知人などが慎んで側らに候し(控え)て、故人の安らかな眠りが祈られる。

(西牟田崇生編著『家庭の祭祀辞典』P,210)
さまよい人
さまよい人

 出直された方への最初の対応ですね 

  • 頭を北へ向ける(北枕)(もしくは東向きor部屋の上座向き)
  • 顔を白布で覆う 白色の枕屏風を立てる 
  • 灯火を点し守刀(守鏡)を枕頭に置く(守刀は小案〔小机〕の上に柄を向こう側にして、刃は外側に向ける)
  • 前面に案を設け、生前に嗜好した日常の食膳(常膳)もしくは洗米・米・塩・水などを供える
  • 家族などの近親者や親しい知人などが慎んで側らに控え、故人の安らかな眠りを祈る

納棺の儀

 納棺の儀は、慎んで故人の遺体を棺に納める儀式である。 
 その作法も様々であるが、多く行われている事例として、喪主以下家族・親族が殯室(遺体を安置する部屋)に集まり、遺体を沐浴(湯水で身体を清めること)させ、髪を整え(成人男性であれば髭も剃り)、新しい被覆に改め(白木綿の小袖を着せる例が少なくない)、面上を白布で覆って、褥(敷物)を敷いた棺の中に納め、礼服その他故人が生前に愛用した様々な品物を共に棺の中に納めた後に蓋をして、その上を白布で覆う。
 納棺が終わると棺を正寝(表座敷)に移し、柩前を舗設して遺影や勲章その他個人を顕彰した品々を飾り、常饌もしくは生饌(採りたてのまま手を加えていない姿形そのままの神饌)を供え、喪主以下一同が拝礼して、発柩(葬送の本儀礼を行うに先立って、柩が喪家を出発すること)に至るまでの間、喪主以下家族・親族などが交代しながら柩前に伺候する(柩の側近くに控える)

(西牟田崇生編著『家庭の祭祀辞典』P,210~211)
さまよい人
さまよい人

 次に、ご遺体を棺に納める儀式についてですね 

  • 家族・親族が遺体を湯水で清める
  • 髪を整え、成人男性であれば髭も剃り、新しい被覆に改める(白木綿の小袖を着せる例が少なくない)
  • 面上を白布で覆い、褥(敷物)を敷いた棺の中に納め、礼服その他故人が生前に愛用した様々な品物を共に棺の中に納めた後に蓋をして、その上を白布で覆う
  • 納棺が終わると棺を正寝(表座敷)に移し、柩前を舗設して遺影や勲章その他個人を顕彰した品々を飾る
  • 常饌もしくは生饌(採りたてのまま手を加えていない姿形そのままの神饌)を供え、喪主以下一同拝礼する
  • 発柩(葬送の本儀礼を行うに先立って、柩が喪家を出発すること)に至るまでの間、喪主以下家族・親族などが交代しながら柩の側近くに控える

柩前(きゅうぜん)日供(にっく)の儀

 納棺の儀が終わって正寝に舗設された柩の前に、発柩に至るまでの毎日朝夕、故人が生前に食事の際に嗜好した食べ物を常饌として、または洗米・塩・水などを日供として柩前に供え、喪主以下家族・親族一同が揃って拝礼し、生前同様に故人を敬いつつもてなす儀式である。

(西牟田崇生編著『家庭の祭祀辞典』P,211)
さまよい人
さまよい人

 納棺後から葬祭本儀までの儀式についてですね 

  • 発柩に至るまで、毎日、朝夕、故人が生前好んだ食べ物、または洗米・塩・水などを日供として柩前に供える
  • 喪主以下家族・親族一同が揃って拝礼し、生前同様に故人を敬いつつもてなす

まとめ

神道葬祭(神葬祭) 前儀

  1.  枕直しの儀
  2.  納棺の儀
  3.  柩前日供の儀
さまよい人
さまよい人

以上、神道葬祭(神葬祭)の【前儀】について、西牟田崇生先生の『家庭の祭祀事典』という著書から学習させて頂きました
長くなるので、「本儀」以降は次回とします

次回は、神道葬祭の「本儀」について勉強する予定です。

ではでは、今回はこのへんで。

コメント

  1. イシオカ より:

    私は今30歳です。教会に生まれました。
    遅くてもあと10年以内には教会を継ぎたいと考えています。
    末端の小さな教会で大変ですが頑張ろうと思います。
    葬儀のことについて事細かく掲載くださり大変助かります。
    私も葬儀が苦手でお手伝いしてても流れがわからず、不安でした。
    このサイトを参考に勉強して、葬儀に対する苦手意識を克服して、堂々と務められるように頑張ります。
    ありがとうございました

    • さまよい人 より:

      コメントありがとうございます。

      教会後継者の方ですね。

      >遅くてもあと10年以内には教会を継ぎたいと考えています。
      >末端の小さな教会で大変ですが頑張ろうと思います。

      …すごい‼
      私などは、
      「自分には教会長なんて無理!」
      とずっと思い続けてましたから、その意欲が眩しいです。

      >私も葬儀が苦手でお手伝いしてても流れがわからず、不安でした。
      >このサイトを参考に勉強して、葬儀に対する苦手意識を克服して、堂々と務められるように頑張ります。

      …ありがとうございます。
      自分の勉強のためにまとめた記事ですが、そう言って下さる方が一人でも居て下さると、
      何だかとても嬉しいです。

      ただ、書かれた内容に関しては、
      手元にある資料を写しただけですので、
      おそらく間違えている部分も、多々あろうかと思います…(^_^;)

      なので、
      このサイトで書かれてあることは、あくまで参考程度にして頂いて、
      より正しい手順や準備等の手段を、ご自身で極めて下さいますようお願い致します。

      このたびは、コメントありがとうございました。

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