皆さん、こんにちは。
ふらふら彷徨う「さまよい人」です。
さて、お正月行事も一段落して、ほとんどの方に日常が戻ってきたのではないでしょうか。
新年を迎えるにあたっては、多くの人が
「今年こそは!」
と新しく目標を掲げ、新たな計画を立てられたのではないでしょうか。
しかし・・・
その内に取り掛かろうと考えて、なかなか取り掛かれずにいる方も多いと思います。
人間は、何かにつけて、
「やろうと思っているけど、今は忙しいから、またその内に…」
と、先延ばししてしまいがち。
何を隠そう、この私自身が誰よりもそうです…(汗)
そんな「先延ばし」に悩む多くの方々に向けて、
今回は、ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』という本で紹介されている「先延ばし」対策の方法を紹介したいと思います。
「先延ばし」の知識を増やしてその対策を取ることで、
今年こそは、最大限のパフォーマンスが発揮できる一年にしようではありませんか。
それでは、早速紹介していきます。
(当記事作成にあたっては、サムの本解説chというYou Tubeチャンネルの中の「【5分で解説】ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」という動画を参照させて頂きました)
ピアーズ・スティール『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』概略
この本の「はじめに」の冒頭に、
「私は、先延ばしをライフワークにしてきた人間だ」
とあります。
この本の著者ピアーズ・スティールは、「先延ばし」をライフワークとして研究する【先延ばしの研究者】だそう。
しかし、実はピアーズ・スティール自身が、重度の先延ばし癖の持ち主で、
自らが「先延ばし」に苦しみ、それを克服する方法を探り続けていく内に、
だんだんと研究者という道へ進んでいった。
との旨が「はじめに」の中に書かれています。
そんな「先延ばし実践者&研究者」のピアーズ・スティールが書いた『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』という本は、
前半(第1章~第6章)が「先延ばし」というものの学習扁=お勉強パート。
後半(第1章~第6章)が「先延ばし」克服のための行動扁=ハウツーパート。
となっております。
理論的な裏付けがあった方が行動が強化できて良いとは思いますが、時間がない現代人には重い。
(私にもムズカシイ…)
なので、今回は主に後半のハウツー的な面だけに焦点をあてて紹介していきます。
「先延ばし」の定義
まず、「先延ばし」の定義を確認しておきましょう。
ピアーズ・スティール氏は、第1章において「先延ばし」がどういう行為なのか定義しています。
先延ばしとは、単にものごとを延期することではなく、
「自分にとって好ましくない結果を招くと知りながら、自発的にものごとを延期すること」。
以上を「先延ばし」の定義としています。
「先延ばし」を防止する4要素
続いて、「先延ばし」を防止する4つの要素について。
ピアーズ・スティール氏は、「先延ばし」を防止するための要素として、以下の4つを挙げています。
- 「期待」:成果(ごほうび)が得られる確実性
- 「価値」:成果(ごほうび)の大きさ
- 「時間」:成果(ごほうび)を得られるまでにかかる時間
- 「衝動性」:誘惑への抵抗力
それら要因の大小、および絡み合いが、「先延ばし」を加速したり防いだりする、
と説明してくれています。
【先延ばしの方程式】
前節で挙げた「先延ばし」に関連する4要因。
ピアーズ・スティールは、それらの関係性をまとめ上げて、【先延ばしの方程式】として表現してくれています。
【先延ばしの方程式】
モチベーション(先延ばしのしにくさ)=(期待×価値)/(時間×衝動性)
以上の方程式を文章にすると、
「先延ばし」を防ぐには、
「期待」か「価値」を大きくする、
あるいは、
「時間」か「衝動性」を小さくする、
それが有効。
そのように言えるかと思います。
【先延ばし方程式】の解き方=「先延ばし」対策
【先延ばし方程式】を学んだところで、当記事のメインパート、先延ばし対策について見ていきましょう。
「先延ばし」をなくしたい我々に必要なのは、
【先延ばし方程式】における左辺、すなわち「モチベーション」(先延ばしのしにくさ)の値を「大きく」すること。
そのためには、
正の相関関係にある【先延ばし方程式】右辺の値を「大きく」すれば良い。
ということになります。
【先延ばし方程式】の右辺は、(期待×価値)/(時間×衝動性)でしたね。
この値を「大きく」したい。となると、そのためには、
- 「期待」か「価値」を大きくする
- 「時間」か「衝動性」を小さくする
そうすれば良い、ということになります。
それでは、各項目ごとに見ていきましょう。
「期待」を大きくする
まずは、「期待」という要因を大きくする方法についてです。
「期待」とは、成果(ごほうび)が得られる確実性のことでした。
すなわち、「先延ばし」を防ぐためには、成果(ごほうび)が得られる確実性をより高めることが有効、ということです。
これをやっても(ごほうび)がもらえるかどうかはっきりしない、という状況よりも、
これをやれば必ず(ごほうび)がもらえる、という状況の方が、それは「先延ばし」はしないでしょう。
しかし、自分の外側、現実の状況を変えることで(ごほうび)を得る確実性を高める、というのは難しい場合が多い。
そこで、ピアーズ・スティール氏は、(ごほうび)がもらえるという期待感を高める方法として、自分の内側に視点を向け自分側を高めることを推奨しています。
具体的には、「自分に自信をつける」という方法。
自分は(ごほうび)をもらえる力があるんだ、という自信をつけることで、(ごほうび)への期待を大きくする、というわけですね。
では、「自分に自信をつける」ためにどうすれば良いか。
そのための方法の一つとして、スティール氏は「小さな成功体験」を積むことを提唱しています。
たとえ小さくても、成功体験を積んでいくことで自分に自信をつけていくことができます。
「成功のらせん階段」とスティール氏は表現しています。
たとえ段差は小さくても、らせん階段をのぼっていけばだんだんと上にある目的地へ近付いていける、というイメージでしょうか。
小さな成功体験を積むために大切なこと。
それは、達成したい目標を「小さく分ける」ということ。スモールゴールというやつですね。
「先延ばし」を防止するため、達成したい大きな目標を、細かく分けてみる。
そうすることで、定期的に達成感を得ることができるし、自分に自信がついて、最後までやり遂げられそうだという期待感が高まります。
ということで、先延ばしを防止するための方法の最初の項目として、「達成したい目標を小さく分ける」方法を紹介しました。
それは、目標を小さく分けて定期的に達成感を得ることで自分に自信をつけ、最後までやり遂げられそうだという「期待」感を高める、という方法でした。
「価値」を大きくする
続いては、「価値」という要因を大きくする方法についてです。
「価値」とは、成果(ごほうび)の大きさのことでした。
すなわち、「先延ばし」を防ぐためには、成果(ごほうび)をより大きくすることが有効、ということです。
ごほうびが大きければ大きほど期待が高まり「先延ばし」しなくなる、というのは、まぁ考えてみれば当然ですよね。
では、ごほうびを大きくするにはどうしたら良いでしょうか。
本書では、「やるべきことに価値を吹き込む」と表現しています。
「課題が退屈」を克服する、とも表現されています。
課題がつまらないと感じれば、「先延ばし」してしまいたくなるのは当然。
なので、課題が面白そう、楽しそう、と感じられる(=価値を吹き込む)ような仕掛けをすれば、「先延ばし」を防げるはずだ、というわけです。
課題への興味を深める(=価値を高める)方法として、「ゲーム感覚」と「目的意識」の活用ということをスティール氏は推奨しています。
「ゲーム感覚」とは、最終ゴールとは別に達成すべき目標を自分で定めて、ゲームのような感覚で目標に挑むことだそうです。
「ゲーム感覚」を活用するとは、
~課題がカンタン過ぎてつまらなければ、今までの半分の時間でできないか?とか、片手でできないか?などと新たな目標を設定して個人的に難易度を上げてみる。
課題が難しすぎて投げ出してしまいそうな場合には、とりあえずその中でも出来そうな簡単なゴールを設定して簡単な部分だけでもやってみる。~
というように、ゲームのような感覚で取り組むことで課題への興味を深める(=価値を高める)、という方法です。
もう一方の「目的意識」を活用するとは、将来の大目標に目先の課題を結びつける、というやり方です。
例えば、社交好きな人が、先延ばししていた「家の掃除」という目先の課題を、「友達を家に招待できるようにする」という将来の大目標に結びつけることによって取り掛かりやすくする(=価値を高める)、といった方法です。
また、前項で述べた方法とのコラボ的な方法として、目標を分けてその小さな目標ごとに(ごほうび)を得られるようにする、というのも、「価値を大きくする」一つの方法として挙げられます。
これは、(ごほうび)そのものを大きくするのではなく、(ごほうび)の数を増やすことで「価値」を大きくする、というやり方ですね。
「時間」を短くする
次に、「時間」という要因を短くする方法についてです。
「時間」とは、成果(ごほうび)を得られるまでにかかる時間のことでした。
すなわち、「先延ばし」を防ぐためには、成果(ごほうび)を得られるまでにかかる時間をより短くすることが有効、ということです。
1ヶ月後に(ごほうび)がもらえると言わてもなかなかお尻は上がりませんが、3日後に(ごほうび)がもらえるとなれば、それはすぐに取り掛かりますよね。
(ごほうび)をもらえるまでの時間が短ければ短いほど「先延ばし」しなくなる、というのは当然の話。
では、(ごほうび)をもらえるまでの時間を短くするにはどうしたら良いか。
これは、前々項・前項でも出てきた方法がうってつけでしょう。
達成したい目標を「小さく分ける」。これです。
大きな目標へ到達するまでの小さな目標を定めることで目標達成までの時間を短くすることができる。
それを繰り返していけば良いわけです。
こうやって見ていくと、目標を「小さく分ける」ということは、「期待」の面でも「価値」「時間」という面でも「先延ばし」を防止するのに有効だということが、よく分かりますね。
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最後に、「衝動性」という要因を小さくする方法についてです。
「衝動性」とは、誘惑への抵抗力のことでした。
すなわち、「先延ばし」を防ぐためには、誘惑への抵抗力をより高めることが有効、ということです。
これは言わずもがなでしょう。
重い腰を上げかけた時、それを阻止する甘い誘惑。
モノにあふれた現代社会は、右を向いても左を向いても、誘惑のかたまりだらけ。
そうした誘惑に打ち勝たない限り「先延ばし」はなくならない。
「衝動性」を小さくする、誘惑に負けないためにはどうすれば良いのか。
ピアーズ・スティール氏は、「エネルギー戦略」として衝動性に負けないよう自己のエネルギーを補充すること(体調管理)なども提唱していますが、それは、体を健康に保つことが大切だよ、という抽象的な内容なので割愛します。
ここでは、本の中で「プレコミットメント戦略」「注意コントロール戦略」として提唱されている具体的な方法を紹介します。
「衝動性」を小さくする(誘惑への抵抗力を高める)方法
プレコミットメント戦略
- 誘惑を手の届かない場所に追いやる。
(せめて、なるべく遠ざける。たとえば、コンピュータゲームのソフトウェアを削除したり、インターネットの接続を切断したりしてもいいし、スマートフォンの電池をはずしたり、テレビの電源コンセントを抜いたりしてもいい。) - 欲求が大きくふくれ上がって課題遂行の妨げになる前に、欲求を満たすように心がける。
(たとえば、遊びのスケジュールを先に決めておく、など。) - 誘惑に屈すると不愉快なことが起きるように手配し、誘惑の魅力を弱める。
(たとえば、誘惑に負けた場合にお金を払うと親しい人に約束する、など。)
注意コントロール戦略
- 誘惑の対象に悪いイメージをいだくように自分を仕向ける。
(誘惑の対象が不愉快なものだというイメージを強化したり、誘惑に屈して先延ばしをした場合に恐ろしい結果が起こると予想したりする。) - 誘惑にさらされた時は、誘惑の対象を、抽象的・象徴的に理解するように努める。
(たとえば、ダイエット中にチョコレートケーキを食べたいという衝動に駆られた時は、それを脂肪と砂糖の塊だと考えればいい。) - 誘惑の対象を思い出させる「キュー」(トリガー)を、可能な限り取り除く。
- 誘惑の「キュー」を排除した後は、自分が課題に取り組む意味を思い出させてくれる標語なり写真なりを用意する。
(愛する家族の写真をデスクに置いておくのが有効な人も多いだろう。) - 有益なキューの効果を確実なものにするために、課題へ取り組む(仕事)場と遊びの場を明確に区分する。
以上、「先延ばし」を防止するために、誘惑に負けず衝動性を小さくする方法でした。
まとめ
「先延ばし」防止4要素
- 「期待」: 成果(ごほうび)が得られる確実性
- 「価値」: 成果(ごほうび)の大きさ
- 「時間」: 成果(ごほうび)を得られるまでにかかる時間
- 「衝動性」: 誘惑への抵抗力
【先延ばしの方程式】
モチベーション(先延ばしのしにくさ)
=(期待×価値)
/(時間×衝動性)
「先延ばし」を防ぐには、
「期待」か「価値」を大きくする、
あるいは、「時間」か「衝動性」を小さくする。
「先延ばし」対策方法
- 「期待」を大きくする
達成したい目標を小さく分けて、定期的に達成感を得ることで自分に自信をつける。
最後までやり遂げられそうだという「期待」を高めることで、先延ばしを防止する。 - 「価値」を大きくする
やるべきことに価値を吹き込む。
課題への興味を深める(=価値を高める)ために「ゲーム感覚」と「目的意識」を活用する。
「ゲーム感覚」を活用するとは、最終ゴールとは別に自分に合わせた難易度の課題を設定し、ゲーム感覚で取り組むこと。
「目的意識」を活用するとは、将来の大目標に目先の課題を結びつけること。
目標を分けてその小さな目標ごとに(ごほうび)を得られるようにするというのも、「価値を大きくする」一つの方法。 - 「時間」を短くする
達成したい目標を「小さく分ける」。
大きな目標へ到達するまでの小さな目標を定めることで、目標達成までの時間を短くする。 - 「衝動性」を小さくする
「プレコミットメント戦略」「注意コントロール戦略」を活用する。
以上、ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』という本で紹介されている「先延ばし」対策の方法を紹介させて頂きました。
今回、 ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』を紹介するために本書を何回か読み返して感じたこと。
それは、「先延ばし」を克服して大目標を達成するためには、まず、小さな目標を設定し、それを一つずつクリアしていくことが有効だということです。
いろいろ理屈っぽいことを知識として吸収しても、それだけでは「先延ばし」は治らない。
先延ばし対策の書籍について紹介しながらこんなことを述べるのもヘンですが、いかに実践できるかが勝負。
今回あれこれ理屈に触れた私が、「先延ばし」防止のために「本当に」動き出すために必要ではないかと思ったのは、
やるべき課題(大目標)に取り掛かるために、まずは、それにつながる小さくて簡単な目標を設定して、とにかくちょっとでいいから手を付ける、ということなんじゃないかな…ということでした。
イチローの
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」
という名言の深みが、改めて染みてくるようです。
ではでは、今回はこのへんで。
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