皆さん、こんにちは。
ふらふら彷徨う「さまよい人」です。
突然ですが、人に何かを伝え、わかってもらうのって、とても難しいですよね。
ブログを書くようになって、自分が思うことを相手にわかってもらうにはどうすれば効果的なのか、頭を悩ませることが増えました。
より効果的な伝え方は…?と頭を悩ませながらネットの中をウロウロしている時、メンタリストDaiGoが紹介している良い本に出会いました。
それは「ストーリー」を語る本。
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』(海と月社)です。
そこからネット検索を展開すると、その他にも、コミュニケーションにおける「ストーリー」の有用性を説明しているサイトや動画をたくさん確認することができました。
例えば、有名な中田敦彦のYouTube大学でも、ストーリーの重要性について教えてくれています。
その他にも多くの方が「ストーリー」が有効だよ、と教えてくれています。
ならば…
「ストーリー」について学ばない手はありません。
今回は、メンタリストDaiGoが紹介するアネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』に書かれている、「人を動かす」ための「ストーリー」活用法というものを紹介したいと思います。
コミュニケーション能力向上のため、共に「ストーリー」活用について勉強してみましょう。
ぜひ最後まで読んでいってください。
「ストーリー」とは何か
ストーリーとは何か?
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』の第2章にまとめてくれています。
【ストーリー】 かわいそうな真実
“真実”は、服をきていなかったので、寒くてたまりませんでした。
温かい家の中に入れてもらおうと、村の家々の戸を叩いたけれど、どの家でも門前払い。村人たちは、裸の“真実”を見て怖がってしまったのです。“寓話”が通りかかったとき、“真実”は道端にうずくまり、お腹を空かせ、寒さで震えていました。
かわいそうだと思った“寓話”は“真実”を抱き起こし、家に連れて帰りました。
そして、 “真実”にストーリーという服を着せ、体を温めてやると、また村に送り出しました。ストーリーの服を着た“真実”が家々の戸を叩くと、今度はみんなが喜んで迎え入れてくれました。
村人たちは、“真実”に食事を与え、暖炉のそばで暖まらせてくれたのです。――ユダヤの寓話
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』P,48~49
上記で紹介したユダヤの寓話は、11世紀以来、繰り返し語られてきたそうです。
千年近くもの間、語り継がれてきたというのは、有益なメッセージが含まれていることを証明していると言えるでしょう。
裸の“真実”に、“寓話”が「ストーリー」という服を着せることで、一度は怖がられ拒絶された“真実”が村人たちに受け入れられるようになる。
「ストーリー」とはそういうもの。
ウ~ン、わかりやすい。
「ストーリー」についての説明を【ストーリー】で行う。
これは、著作『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』からの引用ですが、
ストーリーについてこれほど分かりやすい説明は他にないのではないか、という気すらします(笑)
人を動かす6つの「ストーリー」
では、本題に入っていきましょう。
著者のアネット・シモンズは、「はじめに」の中で次のように述べています。
「ストーリーは、人を動かすための人類最古の道具だ」
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』P,14
そう言えば、聖書やコーラン、タルムードを始め、世界の人々を動かしてきた多くの経典や聖典などは、まさしく物語=ストーリーの宝庫ですものね。
そして、人を動かしたいときに役立つ方法として、次の6種類の「ストーリー」の活用を紹介してくれています。
1つずつ見ていきましょう。
「私は何者か」というストーリー
「私は何者か」を相手に理解してもらうには「ストーリー」が有効、という話。
人を動かしたいときは、まず何よりも、自分を信用してもらわなければ話が始まりません。
はじめの一歩は、信用を勝ち取ること。
人は、カモにされまいといつも身構えています。ですので、まずはその警戒を解く必要があります。
そのためには、自分に関するデータを『客観的』に述べるだけでは難しい。
それよりも、聞き手の関心事に関連させて自分が何者かという感触を伝えられる「ストーリー」を語る方がよほど効果的。
アネット・シモンズはそう教えてくれます。
「私は何者か」ということを「ストーリー」で語ることによって相手との結びつきを確立し、「警戒すべき人」から「よく知っている人」に昇格できる。
私的なエピソードや自分の弱みなど、人柄が伝わるようなストーリーを語れば、相手は心を開いてくれるのです。
私はなぜこの場にいるのか」というストーリー
「私はなぜこの場にいるのか」を理解してもらうためにも「ストーリー」が有効、という話。
人を動かすための前段階として信用を勝ち取るために、もう一つ必要なこと。
それが、私が「なぜこの場にいるのか」を語ることです。
前述の「私は何者か」を理解してもらったならば、次に、その私が「なぜこの場にいるのか」について受け入れてもらうことが重要です。
私はあなたから不当な搾取をするつもりはないのだ、ということを分かってもらえなければ、相手は動くはずもありません。
その際、「ストーリー」を使ってそれを語ることで、相手の受け入れやすさが大きく拡大するのです。
相手のメリットにつながるような「ストーリー」を語ることができれば言うことありません。
聞き手が、語り手の【人柄】と【目的】を知って安心したところで、ようやく本題を受け入れる準備が整います。
上記2つの前提を整えた上で、以下4つのような個別の状況においても、またそれぞれに「ストーリー」が有効に活用できるのです。
ビジョンを伝えるストーリー
ビジョンを伝えるのに「ストーリー」が有効、という話。
人を動かすためには、まず相手のメリットを示さなければ、動いてもらうことはできません。
その際、注意しなければならないのは、往々にして、自分の視点でばかり考えて、相手の視点に翻訳してメッセージを伝えられないことが多い点です。
相手のメリットを示しながら、相手の視点に立った「ストーリー」を使って自分のビジョンを語る。
そのことによって、ようやく相手の心が動き始めるのです。
重要なのは、時間をかけて、自分のビジョンを伝える「ストーリー」を探すことです。
聞き手の心に響くストーリー、聞き手に見えるストーリーを探すのです。
ビジョンというと、それを文字にすると白々しくなってしまいそうな気がしてしまいます。
しかし、それを実際に口で語れば、大きな感動を生むことができるものです。
「自己陶酔的だ」と思われるのを恐れずに語る勇気が肝要となります。
スキルを教えるストーリー
スキルを教える「ストーリー」は、技能を授ける際の時間を短縮するのに役立つ、という話。
「ストーリー」を用いることで、相手に「何を」するのかだけではなく、「なぜ」「どのように」それをするのか、ということについても効果的に学んでもらうことができます。
たとえば、表計算ソフトを覚えてもらいたい時に、どこをクリックするかという技術的な段取りを淡々と教えるよりも、テンプレートを作ったことでどれだけ業務が改善したか、というエピソード(ストーリー)を語ることでスキルを獲得する意義を実感させる方がより効果的、といった感じです。
本書では、「一つの『ストーリー』が、スキルを教えると同時に、価値観を具体化する役割を果たすことも珍しくない。」(P,39)と書かれています。
価値観を具体化するストーリー
自分の価値観を相手と共有するのに「ストーリー」が有効、という話。
これは、アネット・シモンズが説く「人を動かす6つのストーリー」の中でも、ちょっとわかりにくい項目ですよね。
価値観を具体化する? 何それ? という感じで。
翻訳文なのでわかりにくいですが、具体的な話で考えれば、難しいことを言っているのではないことが分かります。
たとえば、自分の価値観が「誠実さを大切にする」というものだったとして、それを相手にも受け入れてもらいたい場合。
ただ単に「誠実に取り組みましょう」とスローガンを呼びかけるだけでなくて、誠実さを大切にしようと思うに至った「ストーリー」を語ることで、相手に受け入れてもらいやすくなる、といった感じ。
自分の価値観を「ストーリー」によって語ることで、「誠実」「仕事を楽しむ」といった「お題目」になってしまいがちな理念(価値観)を、相手と共有することが可能になる(共有しやすくなる)、というわけです。
あなたの言いたいことはわかっている』というストーリー
自分に不信感を抱いている相手の不信を解くのに「ストーリー」が有効、という話。
人を動かしたい場面というのは、当然、自分への信頼感に満ち満ちている人たちではなく、猜疑心いっぱいの人に囲まれた状況の方が多いでしょう。
そのように自分への不信感を抱いている人々に囲まれた状況で、自分がいかに信頼に足る存在であるかということを論理的に説明してみても、それは逆に不信感を増大させるのがオチというもの。
そのような時に、あなたの気持ちはわかりますよ、あなたの言いたいことはわかっていますよ、と相手の立場に立ってそれを代弁する、そしてそれを「ストーリー」として語る。
それが出来たならば、きっと相手は、不安からきていた緊張が解けて、あなたの言葉に耳を傾けてくれるようになるにちがいありません。
『あなたの言いたいことはわかっている』というストーリーは、聞き手の反論をあらかじめ予想した上で、それを穏やかに切り崩すのに有効です。
「ストーリー・シンキング」というスキル
アネット・シモンズが説く「人を動かす6つのストーリー」を紹介してきましたが、
アネット・シモンズはそれに加えて、この本第11章で「ストーリー・シンキング」というスキルの必要性も訴えています。
ストーリー・シンキングとは何か?
ネットで検索すると、以下の記事がHitしました。
子どもの頃、架空のお話を作る遊びをしたことはないだろうか。
子どもの頃私たちは、同じ素材でも、荒唐無稽なお話が飛び出すなどストーリーは多彩だった。
そんな「物語を作る能力」は、仕事の場でも生かすことができる。状況・解釈・行動と、それに伴う「How to do?(以下HTD)」をストーリーにして考えることで問題解決を図る思考法を、「ストーリー・シンキング」と呼ぶ。
「『空・雨・傘・HTD』で、ストーリーを考えることをお勧めしている」
と、A-10代表取締役の中川邦夫氏は言う。「空・雨・傘・HTD」でストーリーを考えるとは、
●空:(状況、自分が直面している問題や起こっている現象)、
●雨:(解釈)、
●傘:(状況と解釈から導き出される、取るべき行動)そこを押さえて、
問題や現象が生じたときにどう解釈し、どうするのがベターなのか(What to do?) を論理的に導き、
HTD(How to do?=どのように実行すればうまくいくのか)を考える、というものである。
ストーリー・シンキングの場合、ストーリーはどんどん広げていいし、むしろ脇道を考えることが大切。
ただ、最大の注意点は、HTD(どのように実行すればうまくいくのか)も、併せて考えること。
複数のストーリーを想定し、ベターなものを選んだ上で、解決策となるHTD(どのように実行すればうまくいくのか)を作り込む。ただ単に「空・雨・傘」の【ストーリー】を作って他人に丸投げするだけでは、人は動かないので注意が必要だ。
ストーリーシンキング -なぜ御社は「雨が降ったらずぶ濡れ」なのか 相馬 留美(そうま・るみ)
すでに長々と紹介してきた通り、アネット・シモンズは、本書を通して、
人を動かすには「ストーリー」が重要だと教えてくれています。
それは、アウトプットに関する話です。
が、そうした効果的なアウトプットをするためには、
インプットの段階から「ストーリー」を意識した思考法(ストーリー・シンキング)が大切だよ、
と教えてくれているわけです。
ストーリーは主観的な視点で語られるべきものだ。
たとえ一時的にでも、客観性を捨てるのは怖いだろうが、聞き手の心を揺さぶるストーリーを語ろうと思えば、それが欠かせない。ところが、ほとんどの人は、主に客観的なクリティカル・シンキング(批判的思考)でものを考えている。
クリティカル・シンキングからストーリー・シンキングへ移行するためには、
客観的な視点(=外から内を見る)と主観的な視点(=内から外を見る)を
素早く切り替えられなくてはならない。ストーリー・シンキングは、主観的で感覚的な性格を持つ。
強い感情に引っ張られる結果、どこへ向かうか予測がつかないのが特徴だ。有効そうなストーリーを見つけたとき、
まずクリティカル・シンキングで検証してから磨き上げていくのはいいが、
客観的な世界にとどまってはならない。
ストーリーが姿を現わすのは、それを受け入れる環境があるときだけだ。ものごとをコントロールしようとする姿勢は、ストーリーを遠ざける。
目に見える結果をすぐに得ようとあせると、ストーリーがぶち壊しになりかねない。
ストーリーの達人に共通するのは、
いつも必ず「正しいことを」「正しい時期に」「正しい方法で」やらねばならない
という呪縛から【自由】であることだ。彼らは、「あとになってわかる必然性」を信じ、
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』P,328~329
きわめて複雑なこの世界では、直感と感情、そして有意義と思えるストーリーに従うことが、よりよい結果をもたらすと思って行動している。
上記原文は、小難しい文章をひねくり回しているような感じにも見えるので、
読んでくださる方の「飽き」を誘発してしまう可能性大かな…
と、ちょっと引用をためらいました。
が、「ストーリー・シンキング」というのはとても有益な考え方だと私は思ったので、
皆さまがこの記事を離脱する恐れを乗り越えて、引用することにしました。
ムズカシイ言葉が並んでいますが、要するに、
「物語を作る能力」を使いながら物事を考えるという“やわらか頭”が持てるといいですね、
ということを言っているのだ、と私は理解しています。
「物語を作る能力」➡「『ストーリー』を駆使できるコミュニケーション能力」
身に付けたいものですね。
ストーリーを見出すための7つの方法
ストーリー。ストーリー・シンキング。「ストーリー」を駆使できるコミュニケーション能力。
それが大切なことは分かりました。
しかし、私のようにコミュニケーションが苦手な人間は、そもそも「ストーリー」のストックが極端に乏しい。
ストックが少ない上に、新たなストーリーを作り出すのも不得手。
私の他にも、「ストーリー」のストックが少なかったり、新たな「ストーリー」を作り出すのが不得意な人は少なくないと思うのです。
そのような人たちは、どうすれば良いでしょうか。
アネット・シモンズは、それについて
第10章「ストーリーテラーとして生きる喜び」の中で紹介してくれています。
本書(『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』)では、それぞれの項目について細かく説明してくれていますが、ここでは割愛します。
細々と説明してもピンとこないように感じたからです。
個々の内容を掘り下げても有用性は低そう。
それよりも、日々の生活の中で、たとえわずかでも、上記7つの項目を意識しましょう、
と私は呼びかけたい。
きっとその方が、実生活に役立つような「ストーリー」ストックの増加に貢献するにちがいありません。
まとめ
★人を動かすには、「ストーリー」が有効である。
★人を動かしたいとき、
次の6種類の「ストーリー」が有効である。
★「ストーリー」を活用した効果的なアウトプットをするためには、
インプットの段階から「ストーリー」を意識した思考法(ストーリー・シンキング)が大切である。
★「ストーリー」を見出し、自分の中にストックしておくために、
次の7つの視点を持っておくと効果的である。
以上、アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』(海と月社)を通して、人を動かすための「ストーリー」の有効性というものを紹介いたしました。
本書の第1章に「ストーリー」の性格についての記述があります。
理詰めで説得したり、ごほうびで釣ったり、カリスマ性で魅了したりするのは、
すべて「プッシュ(=押す)」の戦略だ。これらに対して、ストーリーは「プル(=引く)」の戦略である。
良質なストーリーを語れば、聞き手に結論を押し付けるのではなく、その自由意思を引き出して、あなたという人間とその言葉を信用させられるだろう。
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』P,22
“押してもだめなら引いてみな”
みたいな感じでしょうか。
「ストーリー」というのは、
“北風と太陽”というイソップ寓話における“太陽”みたいなものだ、
と考えるとよいのかもしれません。
日常生活の中に「ストーリー」を蓄えるような視点を取り入れてみよう。
それにより、自分自身の中に「ストーリー」のストックを増やしていこう。
そして、その「ストーリー」を、何か他人に動いてもらいたい場面で活用してみよう。
それと同時に、「ストーリー」を活用するスキルも磨いていこう。
アネット・シモンズ著『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』は、そんなふうに私たちに提案してくれています。
人を動かすための「ストーリー」活用のスキルアップに努めていきたい。
今回の学びを通して、そのような思いに包まれた「さまよい人」なのでした。
ではでは、今回はこのへんで。
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