今年も残りわずかになりました。
年末といえば… 毎年恒例のすす払い、大掃除。
私の教会も、おかげさまで無事に、神殿の年末すす払い、大掃除が終わりました。
大掃除、すす払いしながら、「すす払い」にもきっといろいろ意味あるんだろうなー、と思いました。
そこから、“そうだ、ブログネタとして「すす払い」について調べて記事にしてみよう”と思いついた次第。
というわけで、「すす払い(煤払い)」について調べた内容を、皆さまにもシェアさせて頂きます。
恒例行事として何気なくやっていた「すす払い、大掃除」ですが、調べてみると、知らなかったことばかりでなかなか面白かったです。
ぜひ皆さんも、最後まで読んでいって下さい。
「すす払い」の意味
皆さん、どうして年末に「すす払い」や大掃除やるのか、知ってました?
私は、昔から年末は大掃除するものと教えられて、周りもやってるし去年もやったから、何となくやっていた、というのが正直なところです。
で、今回調べてみると、いろいろなことが分かりましたので紹介しますね。
Wikipediaには、以下のようにありました。
煤払い(すすはらい)とは古くから続く日本の年中行事のことを指し、いわゆる大掃除のことである。
現在でも、神社仏閣においては煤払いと称して歳末の恒例行事となっている。
仏像の掃除は「御身拭い」とも呼ばれる。
通常の箒や叩き が届かない建物・仏像の高所は、先に笹の葉を付けるなどした長さ数メートルの竹で浄めることが多い。煤払いは本来、旧暦の12月13日に行われていた。
掃除 – Wikipediaより
これは徒弟などの奉公人が新年に里帰りできるよう、旅路の時間を考慮して行われていたからである。
江戸時代には煤払いを終えると、冬場の重労働後の滋養強壮と長寿祈願を兼ねて「鯨汁(クジラ汁)」が日本各地で食されたことが、数々の川柳や書物、物売りの記録から残されており、その習慣は広く一般に普及していた。
上記Wikipediaには、すす払いが旧暦の12月13日に行われていた理由を、奉公人の里帰りを考慮して…と書かれてありますが…
調べてみると、「正月事始め」という行事の一つだったということが分かりました。
以下で紹介します。
「正月事始め」って何?
では、「正月事始め」って何でしょうか?
再びWikipediaで「正月事始め」について検索してみると、以下の記事がヒットしました。
正月事始め(しょうがつごとはじめ)とは、正月を迎える準備を始めること。
かつては旧暦12月13日、現在は新暦12月13日に行われる。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があった。江戸時代中期まで使われていた宣明暦では12月13日の二十七宿は必ず「鬼」になっており、鬼の日は婚礼以外は全てのことに吉とされているので、正月の年神様を迎えるのに良いとして、この日が選ばれた。
正月事始め – Wikipediaより
その後の改暦で日付と二十七宿は同期しなくなったが、正月事始めの日付は12月13日のままとなった。
12月13日が「正月事始め」で、お正月の準備を「始める日」だったんですね。
(知らなかった…)
「正月事始め」について検索する中で、ウェザーニューズサイトの中に次のような記事を見つけました。
【12月13日は正月事始め 何をする日?】
12月13日は「正月事始め」といい、「煤払い」などの正月の準備にとりかかる日とされています。〔何をするにも縁起良し〕
もともと、12月13日は「鬼宿日(きしゅくにち)」といい、婚礼以外のことは全て吉とされています。
そのため、この日から物事を始めるのがよいとされ、1月1日の元旦を迎えるために準備を始める「正月事始め」とされていました。この「正月事始め」には、大きく3つの習慣がありました。
【正月事始めの「3つの習慣」】
〔煤払い〕
1つ目は、「煤払い(すすはらい)」です。
家の中に一年の間に積もった、すすやほこりを掃除するというものです。
それだけではなく、一年間の厄をはらい落として家の中を清め、新年を前に神様を迎えるための準備をするという意味も持っていました。〔松迎え〕
2つ目は「松迎え(まつむかえ)」です。
かつては、年神様を迎えるための門松やおせち料理を作るための薪など、正月に必要なさまざまな木を山から伐ってくることを「松迎え」といいました。
今では、松を採取したり、薪を集めることもなくなり、この言葉自体が今ではあまり使われなくなっています。〔年男〕
3つ目は「年男(としおとこ)」です。
年男と聞くと、その年の干支に産まれた男性を連想しますが、もともとは先頭を切って正月準備を行い、みんなを仕切る家長のことでした。
ただ、とても大変な役割であることから、時代が進むにつれて家長ではなく長男や奉公人など、若い男性が「年男」の役割を担うようになりました。現在では、必ずしも男性ではないかもしれませんね。最近は、12月13日を待たずに早くから計画的に大掃除を進めている方もいらっしゃるかもしれません。
12月13日は正月事始め 何をする日? – ウェザーニュースより
でも、まだという方は「正月事始め」をきっかけに、お正月を迎えるための大掃除をはじめてみるのはいかがでしょうか。
正月事始めの「3つの習慣」(①煤払い、②松迎え、③年男)の中の一つが、
「すす払い」だったんですね。
「すす払い」の歴史を探る
さらに検索を進めると、TERAMOTOという会社のサイトで、「すす払い」について分かりやすい説明記事を発見しました。
現代では、年末に行われる大掃除。その由来となったのが、「すす払い」と呼ばれる年中行事です。
「すす払い」の歴史は古く、始まりは平安時代の宮中行事だったと言われています。
なんと平安時代の法律についてまとめた書物『延喜式(えんぎしき)』には、「すす払い」をどのような手順で行うのか詳しく書かれてありました。
この頃はただ単に宮中を掃除するというだけでなく、厄払いの意味が強く込められた儀式として捉えられていたようです。その後、室町時代に入ると「すす払い」は神社仏閣を中心に、仏像や本堂を清める行事となりました。
庶民の間にこの習慣が根付き始めたのは江戸時代と言われていますが、年に一度の大掃除という現代の認識とは違い、当時の人々は半月かけて行われるお正月準備の最初に行うのが「すす払い」でした。
すすと一緒に一年間の厄を払い、清らかになった家で門松やしめ縄といった縁起物の用意をして新しい年を迎えることが、当時の人々にとって大変重要な行事だったそうです。
年末の大掃除の由来「すす払い」から学ぶ、現代でも忘れてはいけないホコリ掃除。 | 株式会社テラモトより
「すす払い」は、平安時代の宮中行事を起源とするという説明。
そこから、神社仏閣へ、そして武家社会、庶民へ、という感じで広まっていったのですね。
お正月ナビというサイトには、以下のように書かれていました。
【大掃除も「正月事始め」から】
神社仏閣の「すす払い(煤払い)」の行事も「正月事始め」に行われることが多いです。
そこから大掃除をはじめる日もこの日とされます。【大掃除の由来と歴史】
〔平安時代の宮中の「すす払い」から〕
大掃除というのは、新年を迎える(すなわち年神様=歳徳神をお迎えする)にあたって、神様をお迎えするのにふさわしいように家の内外を清めるという意味でなされる風習で、平安期に宮中で「すす払い(煤払い)」として始まったとされます。〔禅宗の影響も〕
また、鎌倉期以降、掃除が禅宗の修行の一貫としてひろまったのも相まって寺社仏閣に「すす払い」の風習が広まりました。
その後、江戸時代になると一般庶民にも年の瀬の行事としての大掃除が定着したと言われます。〔庶民のすす払いは妖怪よけから〕
ただ、平安時代にはすでに年末に古い道具類を捨てるという風習があったようで、御伽草子などの古典には年の瀬(立春前)に捨てられた道具類の様子が描かれています。
道具類は100年たつ(99年を越えてつかうと)と付喪神(つくもがみ)という「あやかし(妖怪)」に変化して怪異をなすと言われ、そのために古い道具を年の瀬に捨てるといった風習となったのだとか。
九十九を「つくも」と読むのも、この「付喪神」が由来といわれています。〔のみの市(蚤の市)と大掃除〕
正月事始めとすす払いー大掃除の由来ーより
また、年末に神社仏閣の境内で「のみの市(蚤の市)」という市が立つ(開催される)のも、前述の「付喪神」に関わります。
大掃除ででてきた、使わなくなった古い道具類を使う方に譲り渡すことで新しい命を与え、人に怪異をなす「付喪神」にしないようにするという意味もあるのだそうです。
大掃除が、家の中の整理、片付け、リサイクルのきっかけになるのは古今で変わりはないようです。
庶民の「すす払い」の起源の一つに「妖怪よけ」がある、という説は、
ちょっと面白いですね。
「すす払い」が12月13日とされていることについて深堀り
しつこい!と怒られそうですが、「すす払い」が12月13日とされている理由について分かりやすくまとめた別のサイトがあったので、もう一つだけ紹介させて下さいね。
イエモネというサイトの中に、以下のように記事がありました。
12月13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の「すす払い」の日。
つまり、お正月の準備として、大掃除を始める日です。
「すす払い」は神社仏閣の年中行事として今も行われていますが、一般家庭でもこの日に大掃除を始めるとよいそう。
本来、お歳暮を贈り始めるのもこの日でした。すす払いの由来や、この時期にやるべきことをご紹介します。
12月13日は「すす払い」。
また、この日にすす払いをして正月準備を始めたので、12月13日は「正月事始め」とも呼ばれています。すす払いとは、新年の神様である「年神様」をお正月に迎えるために、1年分の汚れを落とす大掃除のこと。
囲炉裏を使っていた頃は、家中にすす(煙や炎から出た黒い炭素の粉)が付いており、すすを払ってきれいにしたことから「すす払い」と呼ばれるようになりました。すす払いが12月13日になったのは江戸時代のこと。
「すす払い」の意味は? いつ、何をする? | イエモネより
江戸城ですす払いを12月13日に行っていたため、庶民もそれに倣うようになりました。
12月13日は鬼宿日(きしゅくにち)という大変縁起のいい日であり、年神様を迎える準備にふさわしいと考えられたそう。
現在でも、神社仏閣では12月13日にすす払いが行われるところが多くあります
繰り返しになりますが、「すす払い」というのは「正月事始め」の行事の一つで、
「正月事始め」という行事が12月13日だったから、それで「すす払い」は12月13日とされている、ということです。
「すす払い」=12月13日 の由来
いろいろなサイト情報を総合すると、「すす払い」が12月13日に行われる理由は、次のように言えそうです。
海外では年末に大掃除をする、という習慣はないようです。
調べてみて、年末大掃除が「日本独自」の恒例行事である、ということの意味がよく分かりました。
すす払い・大掃除の由来まとめ
最後に、すす払い・大掃除についてまとめておきましょう。
- 煤払い(すすはらい)とは、古くから続く日本の年中行事のことを指し、いわゆる大掃除のことである。
- もともとは、平安時代の宮中で、新年を迎える(すなわち年神様=歳徳神をお迎えする)にあたって、神様をお迎えするのにふさわしいように家の内外を清めるという意味で、「厄払い」的な儀式として始まった。
- 江戸時代になり、半月かけて行われるお正月準備=「正月事始め」として「すす払い」を行う文化が広まり、それが一般庶民にも定着した。
- 「正月事始め」は、半月かけて行われるお正月準備として、婚礼以外のことは全て吉とされる「鬼宿日(きしゅくにち)」の『12月13日』に行われた。
- 「正月事始め」にはすす払い、松迎え、年男という3つの習慣があり、その中の「すす払い」は、家の中に一年の間に積もったすすやほこりを掃除する目的に加えて、一年間の厄をはらい落として家の中を清め、新年を前に年神様を迎えるための準備をする、という意味も持っていた。
- すなわち「すす払い」とは、厄払いという儀式的な意味も含んだ、新しい年を迎えるための日本固有の文化的行事である。
以上、「すす払い」の意味や歴史等について紹介させていただきました。
今回の記事で、「すす払い」というのは『正月事始め』という正月準備のための行事であり、本来は『12月13日』 に行われるもの、という新たな知識を皆さまと共有することが出来ました。
現代の一般家庭で12月13日に行うということはないでしょうが、これまで、毎年の恒例行事だから「何となくやっていた」大掃除を、これからは、その意味や由来を知って行うことが出来ますね。
今までよりも、心を込めて実施することができるのではないでしょうか。(笑)
私の教会ではもう終わってしまいましたが、私も、来年からは、今回学んだことを意識しながら行っていきたいな、と思いました。
いろいろあった令和3年も残りわずか。
今年も、「大難は小難、小難は無難」に結構にお連れ通りいただいて、本当にありがたいことでした。
皆さま、どうぞ良いお年を‼
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